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日経ビジネスDigital速報

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「民主党でいじめられた」~敗軍の将、兵を語るDigital版

姫井 由美子 氏[参議院議員]

(撮影:矢幡英文)

 私はこのたび、5年間在籍した民主党から離党することを決断しました。今後は、小沢一郎さんと行動を共にしたいと考えております。

 今の民主党には、正義も大義もないと思っています。民主党は「国民の生活が第一」と散々、主張し、政権交代を成し遂げました。しかし、党はいつの間にか、真逆の政策、つまり国民の生活を脅かす消費増税に踏み切りました。しかも、「社会保障と税の一体改革」と言いながら、「社会保障」は棚上げにしています。

 また2大政党政治を目指すと主張しながら、自民・公明両党との協議を優先し、民主党内の議論をおざなりにしてきました。こういう体たらくを目の当たりにし、私は離党を決断したわけです。

私はとうに党から見放されていた

 思い返せば在籍中、私に対する民主党の仕打ちは酷いものでした。

 私は、来年予定されている参議院選挙で、民主党岡山県総支部連合会(岡山県連)から公認しない旨の連絡を受けました。先月、マスコミで取り上げられました。

 この問題は5月10日、民主党岡山県連の幹事長している高井崇志衆院議員から、「少し時間をとってもらえないか」と連絡があったのが事の始まりでした。お会いすると、唐突に「姫井さんの支持率調査をしたよ」と言われました。選挙が近くなれば、政党は支持率調査を実施するものです。衆参ダブル選挙の可能性もにらんで、参院議員の調査も行ったようです。

 高井議員は「姫井さんの支持率は非常に悪かった。その結果について国会議員会談をしたい」と。翌11日に、岡山県選出の国会議員――江田五月参院議員、柚木道義衆院議員、津村啓介衆院議員、高井崇志衆院議員、花咲宏基衆院議員、難波奨二参院議員――がずらり揃う中、ひとり椅子に座らされました。「実はこの調査は4月にやりました。その結果を受けて岡山県連の役員会を開き、その結果、全員一致で姫井さんを公認候補にしないという結果になりました」と告げられたのです。それで、「決断をしてほしい」と詰め寄られました。

 「決断」とは、どういうことでしょう。私が「不倫スキャンダル」や「交際相手との訴訟トラブル」など、世間をお騒がせする事態を起こしてきたのは確かです。しかし、その後、反省し、改善すべく、努力してきたのも偽らざる真実です。もちろん、一度失った信頼を100%回復できるとは思っておりません。しかし、次期参院選挙までのあと1年、議員活動を深め、「次も必ず岡山で」という意気込みで頑張ってきたのです。

 昨年は新たに後援会を立ち上げ、岡山県下にある27の市町村すべてで「地域の声を聴く会」を開きました。ポスター3000枚を印刷し掲示板に貼るといった地道な活動もしてきました。しかし、同じ民主党議員から、私のポスターの上に別のポスターを貼られたり、剥されたり、いじめに近い仕打ちを受けていたのです。

「ポスターを貼るほどイメージが低下するんだよ」

 その後の議員会談でも、柚木議員から「姫井さんね、最近、あなたのポスターをよく見る。姫井さんが街頭演説する姿も何度も見たことがある。本当に頑張っていると思う。でもね、姫井さんがポスターを貼れば貼るほど、街頭演説をすればするほど、あなたのイメージは低下しているんだよ」と、散々なことを言われました。

 これを聞いて、私は本当に悲しくなりました。ポスターは、勝手に貼っているのではありません。スタッフや後援会の方々が知り合いの家を1軒1軒回り、「貼らしてください」と飛び込みでお願いをして回っているのです。苦労に苦労を重ねて政治活動をしている。それなのに、「頑張っても信頼回復できない」という。私は本当に腹立たしく思い、失望しました。事務所のスタッフも「応援しているよと、歓迎してくれている有権者も多いのに」と憤りました。そして、会談の後に予定していた私の後援会の定期大会を「どうしても成功させてやるぞ」と燃え上がったのを覚えています。

 定期大会では、次の選挙に向けてさらに結束を強め、大いに盛り上がりました。「県連から公認しないと言われたけれど、皆様に認めてもらうように頑張ろう」と。大会には、定員よりはるかに多い300人もの後援者が集まってくれました。大会後は、そのまま街頭演説に繰り出しました。この勢いのまま、国政の舞台で頑張って行こうという思いを強くしたのです。

不倫騒動と代表選で江田氏激怒

 私を公認から外す表向きの理由は、「不倫スキャンダル」や「交際相手との訴訟トラブル」などであり、いまだに信頼が回復できていないということでしょう。私に対するいじめの原点も、そこにあると思います。

 民主党の重鎮・江田五月さんからは特に嫌われていました。江田さんが改選を迎えた2010年7月の参院選ではこんなことがありました。私は、江田さんが私に対して持つイメージの修復と信頼回復のために、どうしても選挙の応援がしたかったので、新たに後援会や選挙対策事務所を立ち上げて、用意をしました。しかし、江田さんは「やめてほしい」とつれない返事。参院選の最終日、まさにマイク納めをしようという時に、私は「私の事務所の前に人を集めるので、立ち寄ってもらいたい」とお願いしました。そうしたら江田さんは「100人集めてくれるなら、選挙カーを停めてあげるよ」と冷たいひと言。逆に私たちは奮起しました。300人を集めたのです。それで、彼は来てくれました。でも演説は終始、自分のことばかり。「姫井さんの事務所の皆さん、ありがとう」の一言もなかった。そのむごい仕打ちを目の当たりにし、「なんで、こんな扱いを受けなければいけないんだ」と、スタッフとともに悲しみと怒りに打ち震えました。

 その後、江田さんとの関係は、2010年9月の民主党代表選挙で決定的に決裂しました。私は江田さんとの繋がりの強い菅直人さんではなく、小沢さんに投票しました。あの時、自民党や官僚に対して自分達の主張を強く言うことができる小沢さんでない限り、ねじれ国会は乗り越えられないと思ったのです。

 代表選が終わると、江田五月さんの関係者から、「江田が烈火の如く怒っている」と集中豪雨のように抗議の電話が掛かってきました。その時も私のポスターは剥され、看板は外されました。「姫井を落としてやる」と言う人もいました。ある議員のご両親に至っては「姫井さんも(小沢サイドから)おカネをもらっていたんだね」とまで言われました。「姫井さんも」ということはどういうことでしょうか。私は、おカネなど、一切、受け取っていません。とにかく散々言われました。

コンビニ・フランチャイズ問題に尽力

 私はいじめにぐっと耐えつつ、これまで5年間の議員活動で、一定の成果を上げたと自負しています。コンビニ・フランチャイズ問題、過労死問題、DV(ドメスティックバイオレンス)、性暴力問題などに取り組み、1日たりとて、休みことなく勉強会に参加してきました。中でも、コンビニ・フランチャイズ問題は、私の政治活動の根幹を支えるものとなりました。

 これは参議院議員に当選した2007年7月29日、まさにその日、私の娘の同級生で、コンビニのオーナーをされているお父さんから多くの手紙と資料をいただいたのがきっかけです。

 その中には、「ロスチャージ(廃棄商品に対しても、本部が加盟店にロイヤリティを課す仕組み)」とか「オープンアカウント(加盟店が1日の売り上げを本部に送金する。本部は、仕入れ代金などを差し引き、ロイヤリティを徴収した上で、余額を加盟店に戻す仕組み)」など、聞きなれない専門用語が飛び交っていました。

 コンビニの業界の仕組みを学ぶにつれ、現在のフランチャイズ契約のあり方に疑問を持つようになったのです。例えば、賞味期限切れ商品の「見切り販売」の問題。これを本部が認めないというのです。本部からは「どんどん仕入れて、売れ残りはどんどん捨てろ」という指令が加盟店にきます。本部は、仕入れの段階でロイヤリティを取るので、たくさん仕入れてほしいわけです。

 これに対し、加盟店のオーナーは「とにかく、自分たちは弁当を安く売りたい」という。安く売れば助かる消費者がいる。店側も負担が減ります。値下げした分、儲けは減りますが、損はしない。見切り販売ができれば、なにより、食べ物を大量に捨てるという後ろめたさから開放されると、オーナーは訴えるのです。

 実は、この見切り販売の問題で、2009年2月、公正取引委員会は「見切り販売を制限していることは、優越的地位の濫用にあたる」として、セブン・イレブンに立ち入り調査を行いました。これは大きく報道されました。私は農水委員会で当時の石破茂農水相に質問し、「私なら安い弁当のほうを買う」という答弁を引き出しました。さらにホームページ上でコンビニ問題の掲示板を立ち上げ、オーナー同士が情報交換できる場を作りました。問題は、フランチャイズ・オーナーが弱い立場にあり、救済される仕組みがないことにあります。

 ある時、私は小沢さんと一緒になる機会があり、「話があります」と切り出しました。快く車に乗せていただき、20分間、この問題を訴えることができました。「オーナーは忙しいから町内会、青年会議所、商工会議所なんかにも入れない。だから、政治的なつながりが少ない。だからこそ助けてあげてほしい」と。すると、小沢さんは何人かのコンビニオーナーに電話を掛け、党本部に彼らを招いてくれた。私はその後、「フランチャイズを考える議員連盟」を立ち上げ、「フランチャイズ法」の制定を目指し、精力的に活動しております。

 このフランチャイズ問題をはじめとして、弱者切り捨ての政治が続いています。私はまさに、党から切り捨てられた者として、今後は小沢さんの下で、本当の弱者救済活動をしていくつもりです。