記者の眼

途上国で働くということ

カンボジアへの工場進出を支えるある男の場合

  • 熊野 信一郎

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2012年7月30日(月)

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 カンボジアの首都プノンペン中心部から、西へ約20km。毎日のように日本企業の関係者の訪問を受ける人物がいる。名前は上松裕士。工業団地、「プノンペン経済特区(PPSEZ)」のマネジング・ディレクター(社長)の肩書きを持つ。事業運営面での最高責任者である。

 2008年にオープンしたPPSEZには現在40社近い企業が入居している。縫製や靴、食品から自動車部品、精密機器まで業種は幅広い。PPSEZはもともとは日本企業の誘致を主な目的として開発されたこともあり、ここに工場を構える企業の半数以上が日本企業だ。

 加えて最近では、台湾やマレーシア、シンガポール、ベトナム、フィリピンなど多彩な国の企業が次々に進出を決めている。中国などからの生産能力の移転の波は、人口約1500万人のカンボジアにも押し寄せている。PPSEZはこの6月に住友商事と販売面で提携したこともあり、進出する企業はさらに増えそうだ。

多数の日本企業をカンボジアにもたらしたプノンペン経済特区の上松裕士マネジング・ディレクター

 上松社長がプノンペンにやってきたのは2007年。その時、PPSEZの敷地は荒野だった。それから5年。今は工場のみならず、従業員宿舎、日本食レストラン、銀行の支店があり、工場ワーカー向けの屋台も出没する。ちょっとした街である。「成功を信じてはいたものの、ここまでのペースとは正直、想像していなかった」と上松社長は話す。

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