キーパーソンに聞く

「不満足人間」はプロセスにこだわる

コンセプトクリエーターの柴田陽子さんに聞く

2012年12月13日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

AndroidアプリiPhoneアプリでご覧の方は、気になる段落を長押しすると保存/共有できます。

 コンセプトクリエーターの柴田陽子さんに話を聞いた。柴田さんは、渋谷ヒカリエのレストラン階のコンセプトを作り、話題を呼んだ。ローソンのデザート製品、「UchiCafeSWEETS」も同氏がてがけた“作品”だ。

 「分かりやすく、和を重んじて、スピーディーに」を大切にして仕事に取り組んでいる。いずれも、結果ではなくプロセスに関するモットーだ。柴田さんがプロセスにこだわる理由は何か。

(聞き手は森 永輔)

――2012年4月にオープンした渋谷ヒカリエのレストラン階のコンセプト作りが評判を呼んでいます。

柴田:ヒカリエは、東急電鉄が、渋谷をもっといい街にするための再開発プロジェクトの第1弾に位置付けたプロジェクトです。「レストランフロアに特徴を持たせたい。それを、お客様にヒカリエを知っていただくきっかけにしたい」というリクエストを受けました。

柴田陽子さん
1971年生まれ。95年、外食企業に入社。役員秘書を3年務めた後、化粧品会社へ出向。業態開発や商品開発、サロンの店長を経験。2000年、外食企業に戻り、新規レストランの開発を担当。2003年、レストラン開発会社の取締役に就任。飲食店の業態開発やコンサルタントに携わる。2004年に「柴田陽子事務所」を設立。
(写真:加藤 康、以下同)

 渋谷は日本を代表する街、日本を語る上で欠かせない街です。その再開発プロジェクトにかかわらせていただくことは、非常にやりがいがあると思いました。

 6階と7階がレストランフロアになっています。6階のコンセプトは、お客様が「あそこのあれを食べに行こう」と目的を持って訪れるフロアです。お客様が、想像しただけでよだれが出てしまうような個性際立った専門店をテナントに選びました。

 いっぽう、7階は「よく分からないけど、あのフロアで待ち合わせしよう。行ってから食べるものを決めよう」という「場所」としてのレストランフロアを目指しました。

 この前、ある若者が電車の中で「取りあえず、ヒカリエの7階で集まればいいよね」と友達と話をしているのに出くわしました。「ああ、狙い通りだ」。狙いが現実になった時は、すごくうれしいですよね。

ターゲット顧客を細部まで想像する

――柴田さんは「コンセプトクリエーター」と名乗られています。「ブランド」と「コンセプト」はどう違うのでしょう。

柴田:ブランドは、企業や商品、サービスがある特定の特徴を持っていて、ファンに支持されるものですね。この特徴がコンセプトです。以前、ローソンのスウィーツ商品「UchiCafeSWEETS」に取り組みました。このブランドのコンセプトは「いつでもおうちがカフェになる」でした。

 タクシーの日本交通のブランド力を高めるために「ビジネスクラスのタクシー」というコンセプトを作りました。タクシーは料金やクルマの広さで差別化することが難しい。だから、サービスの質で、支持される特徴を作ろうと考えました。

――「コンセプト」って、どうやって作るんですか。

柴田:コンセプト作りは、クライアントの強みと弱みをきちっと把握して、それから、市場で受け入れられるかどうか時代性を測って、そして、それらをミックスするときにアイデアというスパイスをちょちょっと入れる。

――どんな才能が必要なんでしょう。学校に行って勉強すればなれるものですか。それとも特殊な才能が必要でしょうか。

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「「不満足人間」はプロセスにこだわる」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスDigitalトップページへ