スーパーのチラシもパソコンで見る時代に
2月20日に発表された電通の「2006年日本の広告費」によると、昨年の総広告費は5兆9954億円であった。これは、新聞、雑誌、テレビ、ラジオのマスコミ広告、折り込みチラシやダイレクトメール、車中広告などのSP(販売促進)広告、およびインターネット広告などをすべて合わせたものである。それぞれの対前年比を見てみると、テレビ98.8%、新聞96.2%、雑誌98.5%、ラジオ98.1%とマスコミ広告はいずれも減少傾向で、SP広告は100.9%と微増であった。
このような中で特筆されるのがインターネット広告で、対前年比129.3%の3630億円と拡大を続けている。既存メディアであるラジオ広告(1744億円)の2倍以上で、雑誌広告(3887億円)に迫る勢いである。
インターネット広告は、情報を送り手から一方的に送り込むだけでなく、受け手から送り手にいとも簡単にフィードバックできる双方向性の広告づくりが可能である。また、ターゲットを絞り込んだ広告がスピーディに、しかも低コストで行えるところも、インターネット広告が拡大している要因となっている。
一方、デジタルのインターネット広告の対極に位置する、アナログの代表のような広告が、新聞の折り込みチラシであろう。配布エリアを絞って、小売店のセールなどをタイムリーに告知するのに適したメディアである。新聞に折り込まれた複数のスーパーのチラシをじっくり比較検討し、その日の「お買い物作戦」を立てるのを楽しみにしている人も多い。
ネットに比べ、一見時代遅れのようだが、ところがこれが大健闘している。2006年の折り込みチラシの広告費は対前年比0.2%増の4809億円で、販売促進を主とするSP広告の中で1位の座を占めている。そんなチラシの世界で、今おもしろい現象が起こっている。
若い年代を中心に、ニュースなどはテレビやパソコン、携帯電話で見ることができるので、新聞をとらない「新聞無読層」が増えている。でも、近所のスーパーでどんな特売をやっているのかは知りたいので、新聞の折り込みチラシだけ見たいというニーズは依然として強い。そこで出現したのが、インターネットでスーパーなどの折り込みチラシをそのままの形で見ることのできる「電子チラシ」である。
たとえば凸版印刷が運営する「Shufoo!(シュフー)」では、イオン、イトーヨーカドー、そごうなどが参加。自分が見たいエリアを指定すると、該当するこれらのお店のチラシが画面に表示されるようになっている。また、お店の特売情報などを携帯電話に配信するサービスも始まっている。
いってみれば、デジタルとの融合によって、アナログのチラシに再び命が吹き込まれたような形だ。新聞や雑誌・書籍など、紙に書かれた文字がなくては生きていけないようなアナログ傾向の強い私には、うれしい限りである。
確かに、ネットショッピングとも容易に連携できる電子チラシが進化していけば、ゆくゆくは紙のチラシそのものがなくなっていく恐れもなきにしもあらずだが、お店まで簡単に持ち運びできる携帯性、パッと広げると情報がひと目で分かる一覧性などにおいては、まだまだ紙媒体に一日の長がある。そのあたりをうまく使い分けていくリテラシーが、情報を発信する側、受信する側の両方に求められていくのではないだろうか。
(フリーライター・阿南正起)
「経営新世紀・コラム」のバックナンバー一覧 最終回 インターネット広告費3630億円第11回 パスワードは覚えやすいように統一している24.4% 第10回 1日10回以上検索サービスを利用18.7% 第9回 1日1時間以上、会社のメールを個人目的で利用40% 第8回 年賀状は、はがきでもらったほうがうれしい84.3% |


