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第2話「言葉なんて大した問題じゃない。あなたは逃げてるだけよ」

2011年11月9日(水)

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前回までのあらすじ

 特許を巡るトラブルでビジネスを一からやり直すことになった団達也。自分の会社、MTIを手放した後、東京の自宅にこもって読書三昧の日々を過ごしていた。

 一緒に働いていた細谷真理はリンダのもとへ、金子順平はタイへ、そして沢口萌はマレーシアへとそれぞれの道を求めて去っていった。

 転機が訪れたのは半年後。達也のもとにUEPCの顧問弁護士であるキース・ジャクソンからメールが送られてきた。「サーディ・エルグンに会ってみたらどうか」――。キースの言葉で、達也はサーディの住むイスタンブールへと飛んだ。

バンコク

 タイ北部を襲った長雨はチャオプラヤ川に流れ込み、そして堤防を越えて地上に溢れ出た。その大河に沿ってアユタヤからバンコク郊外まで点在する工場団地では、水位計を立てると水深は1メートルを超えた。

 この地域は、日本の生産子会社が集中しているグローバルサプライチェーンの要所だ。ひとたび鎖が途切れると、たちまち生産が途切れる。

 事実、日本で生産するデジタルカメラは計画販売台数を引き下げざるを得なくなった。生産の影響は近隣の国にも及んでいる。ある自動車会社では部品を供給するタイの工場の操業が止まったため、マレーシアの工場の休止を決めざるを得なくなった。タイに生産拠点が集中するHDDは供給量が激減し、日本での店頭価格は一部で1~2割上昇している。またHDDを搭載するカーナビのメーカー各社は、フィリピンや中国工場での生産量を増やし始めた。

 洪水はタイ経済をじわじわと蝕んでいるのだ。

 ソムチャイの工場も例外ではなかった。川からあふれた水は、製造ロボットを設置した新工場の周囲に積まれた土のうを超えて、工場内に侵入した。K01製造ロボットだけでなく、誰にも公開していないK02の自動機までもが洪水の餌食になったのだ。

 ソムチャイは、床に固定されて動かすことができないロボットを捨て、設計図面と制御プログラムが入ったハードディスクだけを持って、工場を離れることを決意した。K01用ロボットのマスタープログラムを抑えている限り、親会社のUEPCには強い立場でいられることを、ソムチャイは知っていた。

 二人は大型トラックに乗り込みバンコクに向かった。

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「第2話「言葉なんて大した問題じゃない。あなたは逃げてるだけよ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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