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第4話「素人がギャンブルの損失をギャンブルで取り返そうとしたのね」

2011年11月30日(水)

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前回までのあらすじ

 特許を巡るトラブルでビジネスを一からやり直すことになった団達也。自分の会社、MTCを手放した後、東京の自宅にこもって読書三昧の日々を過ごしていた。一緒に働いていた細谷真理はリンダのもとへ、金子順平はタイのソムチャイの工場へ、そして沢口萌はマレーシアのタンのもとへと、それぞれの道を求めて去っていった。

 真理はリンダに鍛えられていた。金子が身を寄せていたタイのソムチャイの工場は、洪水で大きな被害を受け、金子はタンのところに行くように言った。

 達也は恩師、宇佐見の友人だったイスタンブールのサーディのもとへ行った。サーディは新しいエネルギーや世界経済について達也と語り合っていた。

 そんな時、日豊自動車の粉飾決算が明るみに出た。社長の湯浅が解任されたことがきっかけだった。

上海

「マリ、日豊自動車のユアサってダンの知り合いだったかしら」
 新聞を読みながらリンダが聞いた。

「団さんとは、ジェピー以来のお友達です」

 真理が日本語で答えると、リンダは大きな声で「スピーク、イングリッシュ」と注意した。気を許すとついつい日本語で話してしまうのだ。

「あなたがキャリアウーマンの道をあきらめるというなら、日本に帰ればいい。そしたらいやっというほど日本語が話せるわ」

 リンダは皮肉っぽく笑った。

「ごめんなさい」

「謝る必要はないわ。話を戻しましょう。日豊自動車は金融商品の投資損失を隠すために“飛ばし”をしていたようね。ユアサはこの不正経理が報道された直後、代表取締役を解任された。ユアサは飛ばしを知らなかったのかしら。マリ、あなたはどう思う?」

「飛ばし…ですか」

 金融商品の価値が激減すれば評価損を計上しなくてはならない。飛ばしという行為は、例えて言えば、金融商品の評価損を風呂敷に包んで縛り、会社から外部に放り投げて、知らん顔をするのと同じだ。1990年代に盛んに使われた不正経理の典型的な方法である。

 真理もそこまでは知っている。だが、具体的にどんな方法で隠すのかは、分かっていない。

「知らない事を恥ずかしいと思ってはダメ」
 と真理に注意すると、リンダは立ち上がってホワイトボードに図を描いた。

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「第4話「素人がギャンブルの損失をギャンブルで取り返そうとしたのね」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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川野 幸夫 ヤオコー 会長