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パソコンを生み、育て、葬った男

2011年12月9日(金)

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 2011年10月5日、アップルの創業者で会長のスティーブ・ジョブズが死去した(享年56歳)。アップル本社はもちろん、世界中の直営店には花束や彼への追悼のメッセージが寄せられ、まるで、偉大なロックスターの死を悼むかのような騒ぎだった。これを見て経営者の逝去が、どうして、これほどの騒ぎになるのか疑問に思った人もいただろう。だが、彼こそが、今の時代を歌った偉大なロックスターだった。

 今日、街中を歩くと年齢性別を問わず、そこかしこでスマートフォンについての話題を話し合っている。数年前はiPodが同じ状態で、その後、世界中に、あの白いヘッドホンの老若男女があふれ出した。いずれはiPadの話題が同様に世界を包むだろう。

スティーブ・ジョブズは何を遺したのか」(執筆・監修:林 信行)日経BP社刊、980円)

 「時々、革命的な製品が出てきてすべてを変えてしまう」

 彼はそうやって時代をつくり続けてきた。1970年代に、いわゆるパソコンの元祖を生み出した後、それをマウスで操作できる今日の形に進化させ、晩年にはパソコンを過去の遺物へと追いやるポストPC機器、iPadを世に送り出した。

 彼が生み出してきたこうした作品の多くは、数モデルでおしまいの一過性の製品ではなく、後に多数の追随企業を生み、社会現象まで巻き起こすようなものばかりだった。彼はまさに21世紀初頭の我々のデジタルライフスタイルを彩り続けてきたのだ。

 それだけではない。一見、アップルに直接関係のないように見えるものの中にも、彼の力無くしては生まれなかったかもしれないものが多い。今日では当たり前となった、DTPの技術で作られる本や雑誌に始まり、インターネットのWebページ、今や定番となったコンピューターアニメーションの映画、マイナーバンドでも世界中で楽曲を売ることができるiTunes Store、たった1人のプログラマーでも2億5000万人以上のユーザーを対象に自作アプリケーションを売ることができるiPhone/iPadのApp Store。彼が生み出した、こうした革命が、世界中の人々のクリエイティビティをたき付け、我々が生きる時代の文化を形作ってきた。

 彼が2005年にスタンフォード大学で行った半生を振り返るスピーチは、世界中の人々に感動を与え、ジョン・F・ケネディ大統領やマーチン・ルーサー・キング牧師以来の歴史的なスピーチとして、さまざまな書籍で引用され、21世紀を担う若い世代に、これからの時代の生き方を教えた。

 彼がいなければ21世紀は、まったく別のものになっていたはずだ。

 この連載では、スティーブ・ジョブズという、我々と同時代を生きた人物がどんな思想・哲学を持って、数々の偉業を成し遂げてきたのかを、「人」「仕事」「作品」「言葉」の4つの側面から分析していく。第1回は、彼の人物像に迫ってみたい。

コメント6件コメント/レビュー

アップルの製品の唯一の欠点は、形と機能が相反する場合に形を優先してしまうことです。iMacのUSB差込口は背面にあるので非常に使いづらい、第六世代iPod Nanoは、ボタンが少なく、一旦画面を起動しないと再生を停止したり次の曲に行ったりできない、などなど。簡単に解決できる問題なのに実行しないのは、形の美しさを損ないたくないからとしか考えられません。つまり「使って幸せな道具」ではなくて「格好いいもの」を目指している訳です。このこと以外でもアップルから受ける印象を考えると、結局、「世界中の人々の暮らし」に焦点があるのではなくて、ジョブズが理想とする世界の「形」に焦点があったのではないでしょうか?(2011/12/17)

「ジョブズは何を遺したのか」のバックナンバー

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「パソコンを生み、育て、葬った男」の著者

林 信行

林 信行(はやし・のぶゆき)

ジャーナリスト

テクノロジーが人々の暮らしぶりや社会をどう変えるかをテーマに取材をつづけるフリージャーナリスト。国内のテレビ、Web、新聞、雑誌に加え、米英西仏中韓など海外主要媒体でも日本のテクノロジー文化を伝える。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

アップルの製品の唯一の欠点は、形と機能が相反する場合に形を優先してしまうことです。iMacのUSB差込口は背面にあるので非常に使いづらい、第六世代iPod Nanoは、ボタンが少なく、一旦画面を起動しないと再生を停止したり次の曲に行ったりできない、などなど。簡単に解決できる問題なのに実行しないのは、形の美しさを損ないたくないからとしか考えられません。つまり「使って幸せな道具」ではなくて「格好いいもの」を目指している訳です。このこと以外でもアップルから受ける印象を考えると、結局、「世界中の人々の暮らし」に焦点があるのではなくて、ジョブズが理想とする世界の「形」に焦点があったのではないでしょうか?(2011/12/17)

ジョブス信者が興奮して書いた記事で冷静に彼の仕事が本当に偉業なのかどうかは読み取れない。彼の作ったものは人類に必要なのか、豊かさを与えたのか。分からない。産業用機械の発明は、明らかに人類を物質的に豊かにした。手に収まる携帯電話付き小型パソコンは人類にどのような豊かさをもたらしたのか。心の豊かさ意?本当か? どうも、オタクが細部の小さな差異を大げさに感動しているようにしか思えないのだが。ジョブズ氏はこんなにも偉大なんだともっと冷静に論理的に教えて欲しい。(2011/12/12)

多くのコメントが付くだろう。私も33年前アップル?と出会い衝撃を受けた。あの時の衝撃は規模は小さかった。しかし深さは今のiPodやiphoneに負けるものではない。あのころはみんなが心のどこかで叫んでいた。「生きたい」「もっと!」と。ジョブスの生み出したモノすべ的共通し、共感するモノ。確かにこれに尽きる。(2011/12/09)

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