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第5話「会計士は本当に粉飾を知らなかったのでしょうか?」

2011年12月7日(水)

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前回までのあらすじ

 団達也は恩師、宇佐見の友人だったイスタンブールのサーディを訪ね、新しいエネルギーや世界経済について語り合い、サーディの考え方を聞いていた。

 達也のMTCで働いていた細谷真理はリンダのもとで英語とビジネスの特訓を受けていた。金子順平はタイのソムチャイの工場へ行ったが、洪水の影響でマレーシアのタンの会社に行った。タンの実家では、沢口萌が家族と一緒に暮らしていた。

 日本では日豊自動車の粉飾決算が明るみに出て、社長の湯浅は解任された。

豊橋の料理屋

「大変な事になりましたね」
 西郷は申し訳なさそうに話しかけた。だが、湯浅は毅然とした態度を崩さなかった。

「あなたのアドバイスがなかったら、私は前社長の操り人形の烙印を押されていたでしょうね。でも、あなたの指摘があったから、過去の不正が見つかったんです。感謝しています」

「そう言っていただけると楽な気持ちになるんです。でも、事実を公にしたから、あなたは代表取締役社長の地位を奪われた…」

「大丈夫ですよ。わたしは潔白だし、いまでも取締役には変わりないんですから。それより西郷さん、あなたは弊社の監査をしているわけでもないのに、どうして粉飾が分かったのですか?」

 技術畑一筋で社長まで上り詰めた湯浅には、不思議でならなかった、もしかして、誰かからそっと教えられたのではないか。

「何年も監査を経験すれば、不正が隠された決算書は何となく分かるものなんです」

「そうなんですか?」
 湯浅は疑いの眼差しを西郷に向けた。

「決算書は単年度分だけを見てもなにも分からないんです。そうではなく、その時々の経済環境を思い浮かべながら時系列的に見ていくんです。
 たとえば、平成20年にのれん2000億円が突然計上されました。さらに、有利子負債(銀行借入金や社債)が売り上げ金額の80%とあまりに多い。それもここ10年間で一気に増えた。なのに、預金残高はいつも2000億円と多額です。
 なぜ借入金の返済に回さないんでしょうね。実に奇妙です。こんな工合に次々と疑問が湧いてくるのです」

 すると湯浅が首を傾げた。
「弊社の会計士は本当に粉飾を知らなかったのでしょうか」
「どうして、そんな質問を…」

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「第5話「会計士は本当に粉飾を知らなかったのでしょうか?」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官