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瀕死のアップルをどうよみがえらせたのか

2011年12月14日(水)

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 彼の名字の「Jobs」は、英語で「仕事」を意味する単語と同じつづりだ。死の間際まで「仕事」に執着し続けた男には、まさにうってつけの名前といえよう。彼は若い頃から思い続けてきた「世界的存在になろう」という強い思いと情熱で、本当に世界を何度も変えてしまった。彼ほどの情熱を後から身に付けるのは難しいかもしれないが、彼が実際に行ったいくつかの判断は、多くのビジネスパーソンにとって、参考になるはずだ。連載第2回は、復帰当時、倒産寸前の危機にあえいでいたアップルを、ジョブスがどう舵取りしていったのか、その軌跡を追う。

「Fail fast」で世界の頂点へ

 MBAを持たないどころか、大卒ですらないが、近年のビジネスの世界で、スティーブ・ジョブズ以上に優秀な経営者はなかなか見当たらない。

 わずか15年前の1996年には完全に潰れかかっていたアップルを立て直し、時価総額で世界最高にしてしまった実績もあり、異論を挟める人はなかなかいないはずだ。

 彼には会社を未来へと導くビジョンがあり、社員の心を1つにまとめる統率力がある。新しい市場を提案するアイデアがあり、自らの間違いを否定する勇気もある。製品のディテールを厳しく磨き上げるアーティストの目を持ち、それが本当に可能かの勘所となる技術の目もある。ポケットマネーで会社をつくる資金力もあり、業界の大物を動かすのに必要な交渉力もある。そして出来上がった製品を誰よりも愛するハートがあり、その製品を語って人々を引き込むプレゼンテーションの能力もある。

 1人の経営者に、これだけ多くの能力が集約されるのは珍しいことだ。

 でも、彼も生まれついての優秀な経営者だった、というわけではない。では、一体、どこで、経営手腕を学んだのか。

 答えは「経験」だ。

 シリコンバレーの起業家の間では、よく「Fail fast」(早く失敗をしろ)と言われる。

 「成功」は、たくさんの手探りをし「失敗」を重ねたからこそ本物であり、「失敗」なしで「成功」を重ねてしまった「まぐれ当たり」的な経営者は、むしろ危ない、というのだ。

 その点、ジョブズはわずか21歳で自ら創業をし、経営をし、多くの失敗を重ねてきた。さらに広報にしても、広告にしても、経営にしても、トップクラスの人たちとしか組まずにきた(組むまで、お金に糸目をつけず、泣きついてでも食い下がった)。おかげで、ジョブズは若くして、こうした世界トップクラスの逸材の「経験」も間接的に取り入れることができた。

 こうして20代、アップルで多くを学びながら、一度は、創業したアップルを追い出されるという、立ち直れないくらい大きな痛手を経て、それまでの10年弱を、かなり深く見つめ直すことになる。そして次の10年余はネクストとピクサーという会社で理想を強く求め過ぎて、再び失敗をする。

 これらの失敗と、「見返してやろう」とする強い思いこそが、1996年末にアップルに復帰した後のジョブズの原動力に違いない。

 ジョブズほどの経営手腕を身に付けることは一朝一夕にはできない。ただ、彼がこの15年でアップルで振るってきた采配からは何か学べるものがあるかもしれない。そこで、以下では彼がアップルに戻ってきてからの15年間、いったい何をやってきたのかを振り返ってみよう。

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「瀕死のアップルをどうよみがえらせたのか」の著者

林 信行

林 信行(はやし・のぶゆき)

ジャーナリスト

テクノロジーが人々の暮らしぶりや社会をどう変えるかをテーマに取材をつづけるフリージャーナリスト。国内のテレビ、Web、新聞、雑誌に加え、米英西仏中韓など海外主要媒体でも日本のテクノロジー文化を伝える。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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