「熱血! 会計物語〜団達也が行く season3」

第16話「運転資金がゼロどころか、製造する20日前には代金の回収を終えているのです」

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2012年2月22日(水)

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前回までのあらすじ

 MTCで働いていた金子順平は、マレーシアのタンの会社に移り、タンのもとで暮らしていた沢口萌と再会した。金子は、タンの会社で新たな研究を始めるつもりでいた。

 ある日、金子の携帯電話に聞き覚えのある声の電話が掛かってきた。かつて金子が勤めていたジェピーを追い出され、現在はジェピーを買収したUEPCにいる間中だった。

 間中は、金子をスカウトしにマレーシアまでやってきた。間中は「マレーシアで団を待ったって、来やしませんよ」と金子に言った。金子は耳を疑った。

 日豊自動車の社長に復帰した湯浅は、会計士の西郷と定期的に話をする機会を作っていた。湯浅は、ポスト電気自動車の市場でトップ企業になりたいと考えていた。

 湯浅は、電機大手の不振のサニック社とアップルの決算を見て、両社の営業キャッシュフローの差が8倍近くもあることについて疑問を持っていた。

 西郷は、「スピード」がその差の理由だと語った。

西郷と湯浅

 「スピードって、新車を開発するスピートのことでしょうか」

 経営で最も大切な点はスピートだと西郷に言われたことに対して、それは車のライフサイクルを早めることではないかと湯浅は思っていた。

 「長期的に見ればそういう事ですが、ボクが申し上げたいのは現金の回転スピードです」

 西郷はカバンからレポート用紙を取り出すと、ボールペンでCCCと書いた。Cash Conversion Cycle(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の頭文字だ。

 「現金循環化日数、と日本語では訳されています。この日数を短縮することが新しい経営モデルになっているんです。スティーブ・ジョブズはこの指標を使ってアップルを世界最強の企業に育てたんです」

 「もう少し詳しく教えていただけますか」
 湯浅は身を乗り出した。

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著者プロフィール

林 總(はやし・あつむ)

林 總公認会計士、税理士、LEC会計大学院教授(管理会計事例)、林總アソシエイツ代表取締役。1974年中央大学商学部会計科卒業。経営コンサルティング、一般会計および管理会計システムの設計、導入指導、講演活動などを行っている。主な著書に『経営コンサルタントという仕事[改定版]』『よくわかるキャッシュフロー経営』『わかる!管理会計』『やさしくわかるABC/ABM』『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』『売るならだんごか宝石か』『美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか』『つぶれない会社には「わけ」がある』など。最新刊は『コハダは大トロより、なぜ儲かるのか?』『読む管理会計 企業再生編――「キャッシュ経営」で会社を救え!』『読む管理会計 粉飾決算編――会社の「ウソの数字」にダマされるな!』『ドラッカーと会計の話をしよう』『世界一わかりやすい会計の授業』『貯まる生活―見えない未来にそなえる家計マネジメント術』。自身のホームページの「団達也会」では、「団達也と真理と一緒に会計を語りつくそう」という会員向けのサービスを主催している。



このコラムについて

熱血! 会計物語〜団達也が行く season3

 主人公の団達也は、シンガポール大学ビジネススクールで学んだ秀才。周囲の期待を裏切るような形で、恩師の経営コンサルタント、宇佐見秀夫の薦める中堅電子部品メーカー、ジェピーに入社した。ここで粉飾決算をあばき、不正の指南をしていた当時の役員らを会社から追放した。
 その後、達也はジェピーを辞め、経理課長、細谷真理と2人で新会社MTC(Management and Technology Consulting group)を立ち上げた。主力製品は「K01」。天才技術者、金子順平が発明したリチウムイオン電池の性能を飛躍的に伸ばす部品だった。達也はアジアをターゲットとして、この新製品でビジネスをしようと考えていた。
 ところが「K01」の特許をめぐって、達也はビジネスに失敗。裸一貫で出直すことになった。達也のもとで働いていた細谷真理、沢口萌、金子順平は、それぞれの道を歩むこととなった。
■熱血!会計物語 〜社長、団達也が行くseason2はこちらから【「熱血!会計物語 〜社長、団達也が行く season2」

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