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怒りに身をまかせるのはまちがっている

【2】刺激

  • アラン

  • 翻訳 村井 章子

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2012年4月24日(火)

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【1】「名馬ブケファロス」から読む)

今日の一言

怒りの発作も咳の発作もたいして変わらない。どちらにも身体を動かすことが効く。

 飲みそこなって喉につかえると、全身でむせ返ることがよくある。体中のあちこちに差し迫った危険が告げられたように、筋肉は縮こまり、心臓までおかしくなって、一種の痙攣状態になってしまう。こんなとき、どうしたらいいだろうか。体の反応に身を任せ、耐え忍ぶほかないのだろうか。哲学者ならきっとそう言うだろう。経験なしに語るのが哲学者なのだから。

 だが体育の時間に「ぼくには無理です。体がこわばって、筋肉が全部引きつってしまうんです」などと言う生徒がいたら、先生は笑い飛ばすことだろう。私の知っている怖い先生などは、臆病な生徒を正気に戻すために、叩くぞと断ってから棒でしたたかにひっぱたいたものだ。

 よく知られているとおり、筋肉というものは、従順な犬のように考えに従う。たとえば腕を伸ばそうと考えたら、すぐに腕は伸びる。先ほどの筋肉の収縮や痙攣は、どうすればいいかわからないことが原因で起きたのである。そんなときにやるべきなのは、全身の緊張を解くことだ。とりわけ、強く息を吸い込むとよけいにむせるから、どこかにひっかかったものを逆に押し出してやることである。これは、言うなれば、恐怖心を追い出すことにほかならない。恐怖心は、この場合に限らずいつだって害にしかならない。

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