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先入観にとらわれずうつ病を問い直す

2012年4月16日(月)

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1つのテーマにも様々な見方がある。このコラムでは、1つのテーマをめぐって対照的な考え方をまとめた2冊の本を紹介する。今回のテーマは「うつ病」だ。

うつ病にまつわる定説を検証

うつ病の常識はほんとうか
冨高 辰一郎
(とみたか・しんいちろう)
日本評論社 1680円
ISBN978-4-535-98356-4

 1963年生まれの精神科医がうつ病について論考を重ねた本だが、そのテーマの門外漢でも読み始めたら止まらなくなる面白さがある。「健全な懐疑心と論拠となる一次資料」で様々な定説を果敢に検証、時に常識破りの逆説を提示してみせる。展開がスリリングなのだ。

 例えば、本書の執筆動機だったという「なぜ自殺者は3万を超えているのか」と題した第1章。

 確かに日本の年間自殺者数は98年以来ずっと3万人超えだ。人口10万人当たりの自殺率を見ても、50年代のなべ底不況の数年間に匹敵する水準が長らく続いている。これはとんでもない社会問題だ、と識者らは言うし、国民の多くもそう思っている。

 しかし、著者はそこに異を唱える。自殺リスクは10歳未満でほとんどなく、40代から60代が高い。そして日本の人口構造は少子高齢化が進んできた。要するに、自殺者数が3万人超えとなった主因は、団塊の世代が自殺好発年齢になったこと。人口構造の変化の影響を排除した自殺率はここ50年間でほとんど変わっていない。こうした冷静な分析に基づく情報発信を専門家やメディアに求める。

 同様のスタンスで、うつ病にまつわるほかの定説にも疑問を投げかけていく。現代はストレス社会か、几帳面な人はうつ病になりやすいか、本当にうつ病患者が増えたのか。「心の柔軟性を回復するには疑問が必要なのだ」という著者の議論は風通しがいい。

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