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わずかな変化にも飛び上がって驚くのはよくない

【23】予兆

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2012年5月28日(月)

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【22】運命から読む)

今日の一言

私たちは自分たちの気分を開墾し整地する必要がある。気分のままにまかせるのをやめなければいけない。

 森羅万象に対して受け身になり神経が研ぎすまされている状態、自らは考えようとせず、言うなれば柳のように思考が外界の印象に委ねられている状態がある。このような状態を、ある無名の哲学者はひそかに「預言者の心」と呼んでいた。それは、預言者が耳を澄ませ、ありとあらゆる兆候を全身で聴き取ろうとし、揺らぎおののいている心の状態である。たとえばアポロンの神託を告げる巫女は、あの三脚の腰掛けの上でどれほど震えていたことだろう。あらゆるものに注意を払い、したがってあらゆるものを恐れていた。大宇宙の音や動きを一つとして聞き流すことのできない人は、気の毒な人である。

 ときに芸術家は、万物に耳を澄ますこの状態に自ら陥りたいと願い、あらゆる色や音、そして暑さ寒さに身をゆだねることを望む。そうしてみたとき、自然の中で暮らし自然の状況に翻弄されているはずの農夫や漁師が、微妙な変化の一つひとつまでは気にしていないことを知って驚くだろう。彼らが肩をそびやかし無用の心配事を振り払う動作は、じつに堂々としたものである。

 人々を背負って川渡しをしていた聖クリストフォロスは、押し寄せる波のことなど計算しなかった。「気力に満ちていたら睡眠などいらない」と聖クリストフォロスは語ったが、計算しすぎたり考えすぎたりもしないものである。

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