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第32話「スペインには不良債権処理できる体力がある銀行は多くない」

2012年6月13日(水)

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前回までのあらすじ

 団達也と一緒に働いていた細谷真理は、パリで偶然ミミと出会い、連絡を取り合う間柄になっていた。
 ミミはパリの大学で物理学の研究をしている助教授。イスタンブールで団達也が教えを請うたサーディのまな弟子で、達也はパリでミミと次世代エネルギーについて意見を交換していた。
 ミミは真理にエコノミストのアンドレを紹介した。
 金子順平は、間中にだまされて一人で上海に行った。上海で金子を待ち受けていたのは間中本人だった。金子は上海UEPCのK01製造工場に連れていかれ、ウイルス感染したロボットの修理をするよう言われた。
 ロボットは、金子が2年後に誤作動するようなプログラムを仕掛けておいたために止まったのだった。
 沢口萌は金子が間中にだまされて上海に行ったことを知った。

パリ 郊外

 アンドレの不安な気持ちはひしひしと真理に伝わってきた。

 「スペインはどうなるかって?」
 アンドレは深刻な顔で話を始めた。

 「きみの国が経験したことが、いま起きようとしている」
 「バブルの崩壊ですか」

 「その通り。借金で調達した膨大な資金が不動産に流れ込み、大規模な債務を残したまま、不動産資産バブルが破裂したんだ。それで資金を貸し付けた銀行経営が悪化してね。融資全体に占める不良債権の比率は8%を超えているそうだ。スペインには中小の金融機関が多くてね。不良債権処理できるだけの体力がある銀行は多くない」

 「貸倒引当金をそれだけ積んだら、債務超過になるかもしれない…」

 「会計マターじゃなくて、貸したお金が返ってこなくなったら立ちゆかなくなる。いまのところ総額で2000億ユーロ程度の公的資金注入が必要だろう。しかし、その資金はスペイン政府にはないんだ。グレーゾーンの不良債権まで入れたらもっと増えるだろう」

 「心配ですね。どうしてこんなことが起きるのですか」
 真理はその原因が知りたくなった。

 「脆弱な経済、ユーロという通貨体制、関係諸国との協調のなさ、それに」と言ってアンドレは天を仰いだ。

「熱血! 会計物語~団達也が行く season3」のバックナンバー

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「第32話「スペインには不良債権処理できる体力がある銀行は多くない」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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