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第33話「きみは欧州の危機の原因はすべて同じだと思っているの?」

2012年6月20日(水)

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前回までのあらすじ

 団達也と一緒に働いていた細谷真理は、パリで偶然ミミと出会い、連絡を取り合う間柄になっていた。
 ミミはパリの大学で物理学の研究をしている助教授。イスタンブールで団達也が教えを請うたサーディのまな弟子で、達也はパリでミミと次世代エネルギーについて意見を交換。実現への道を探っていた。
 ミミは真理にエコノミストのアンドレを紹介した。真理はジェームスの依頼で欧州経済のリポートを書くことになっていた。
 金子順平は、間中にだまされて一人で上海に行った。上海で金子を待ち受けていたのは間中本人だった。金子は上海UEPCのK01製造工場に連れていかれ、ウイルス感染したロボットの修理をするよう言われた。
 ロボットは、金子が2年後に誤作動するようなプログラムを仕掛けておいたために止まったのだった。
 沢口萌は金子が間中にだまされて上海に行ったことを知り、自身も上海に行ってリンダに連絡を取った。

パリ

 「ギリシャ国民は正しい判断をしたということなんでしょうね」
 真理はアンドレに尋ねた。

 「そうだね。もし反緊縮派の急進左派連合が過半数を取っていたら、ギリシャだけでなく世界が大混乱に陥ったと思う。とはいっても、問題が解決されたわけではない。緊縮財政の継続は、節約して借金に回すということだから、国民の生活がすぐに良くなるわけじゃない。それに、きみの国も含めて世界中の富める国がギリシャを支援することになったんだ。人ごとじゃないよ」

 アンドレの話を聞きながら、真理はテレビに映し出された、建設が止まったままのビルやサッカースタジオ、失業者があふれる街の様子を思い浮かべた。それはスペインの映像だった。

 ギリシャの後には同じ問題を抱えているスペインが控えている。その後は、イタリアが。この先どうなるのだろう。

 「真理、きみはPIIGSを襲っている危機の原因はすべて同じだと思っているの?」
 アンドレが聞いた。

 「違うのですか?」
 「ギリシャG、ポルトガルP、イタリアIの危機の原因は財政のバラマキ。スペインSと、アイルランドIは日本で起きた銀行システムの崩壊なんだ。でも、共通していることがある。ヘッジファンドの餌食にされているという点だ」

 ヘッジファンドは国債の売りを浴びせて大もうけしているということだ。真理はいたたまれない気持ちになった。

 「規制はできないんですか」
 アンドレは首を左右に振った。

 「イギリスとアメリカが反対してるからね。だから、ユーロ圏としてはより結束を固めなくてはならないんだよ」

「熱血! 会計物語~団達也が行く season3」のバックナンバー

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「第33話「きみは欧州の危機の原因はすべて同じだと思っているの?」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長