• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

行動は快楽を追求するものだと考えるのはまちがい

【45】エゴイスト

  • アラン

  • 村井 章子

バックナンバー

2012年6月27日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

【44】ディオゲネスから読む)

今日の一言

ほんとうの快楽は先に苦労を要求する。

 西洋の宗教にはたくさんの誤謬があるが、その一つはオーギュスト・コントも指摘しているとおり、人間はつねにエゴイストであって、神によってしか救われないと説いたことである。この誤謬はあらゆるものを毒し、献身的行為ですらエゴイズムに発するものとされた。そしてごく常識的な人やきわめて自由な精神の持ち主まで、自己犠牲を払うのは快楽を得るためなのだという、おかしな考えに取り憑かれている。「戦争が好きな人間もいれば、正義が好きな人間もいるだろうさ。で、この俺は酒が好きだ」。これでは無政府主義者も神学者であり、反乱も屈従で、どれも同じことになってしまう。

 実際には、人間は快楽を好むというより、行動を愛する生き物だと理解すべきだろう。それは、若者の気晴らしを見ればわかる。たとえばサッカーの試合と来たら、押し合い殴り合い蹴り合いにほかならず、最後は痣に湿布と決まっている。それなのに、これを熱心に望んでやるのだ。そしてすべては記憶の中で輝き、思い出しては血が騒ぎ、足は走り出しそうになる。人々はこうした無私無欲の行為を楽しむのであり、そのためなら打撲や苦痛や疲労などものともしない。

 となれば、戦争についても考えてみなければなるまい。戦争もある種立派な試合であって、そこには人間の残忍さよりむしろ無私の精神が見受けられる。戦争で最も醜悪なのは、戦争中ではない。戦争を始める原因となる隷属状態と、戦争が終わってから再び出現する隷属状態である。戦争で最悪なのは、つまるところ、最もよい人たちが殺され、悪賢い連中が不正な支配の機会を手にすることだ。ところが直感に従っていると、道を誤ることになる。ポール・デルレードのようなお人好しは、愛国者同盟を組織し、いいカモにされてうれしがっていた。

コメント0

「「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」毎日読むアラン『幸福論』」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック