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第34話「もし機械稼働率が35%を切れば赤字転落ね」

2012年6月27日(水)

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前回までのあらすじ

 ミミはパリの大学で物理学の研究をしている助教授。イスタンブールで団達也が教えを請うたサーディのまな弟子で、達也はパリでミミと次世代エネルギーについて意見を交換。実現への道を探っていた。
 達也は、新しいエネルギー源として、水素に希望を抱いていた。ミミと一緒に、水から水素を生成する装置を発明した科学者に会いに行った。
 金子順平は、間中にだまされて一人で上海に行った。上海で金子を待ち受けていたのは間中本人だった。金子は上海UEPCのK01製造工場に連れていかれ、ウイルス感染したロボットの修理をするよう言われた。
 ロボットは、金子が2年後に誤作動するようなプログラムを仕掛けておいたために止まったのだった。
 沢口萌は金子が間中にだまされて上海に行ったことを知り、自身も上海に行ってリンダに連絡を取った。
 リンダは萌の話をなかなか信じようとはしなかったが、UEPC上海工場のロボットの稼働率が落ちていることを問題視していた。

上海

 「モエ、ロボットが復讐するって言ったわね。どういう意味かしら」

 「それは…」
 萌は思わず口にしたことを後悔した。金子に口止めされていたからだ。

 「実はね。工場から上がってくるデータがなんだか変なのよ。急にロボットの稼働率が落ち出して、先週は60%になったの。世界中から注文が殺到しているというのに、稼働率が落ちれば納期に間に合わない。それで得意先からクレームが殺到しているの。いまのところ、K01に変わる電子部品は世界中どこを捜してもないから、損害賠償とまではいかないけどね」

 萌はリンダがこのビルにいながら、どうして工場の状況が分かるのか不思議でならなかった。
 
 「私は董事長で、経営は総経理のアンディーに任せているから、直接指示は出していないわ。でも、私が董事長をしている会社が10社あるの。シンガポール大学のMBAを持っている私としては、毎日KIPだけでもチェックしないと落ち着かないのよ」

 KPI(キー・パフォーマンス・インジケーター)は、組織の目標を達成するための重要な業績評価の指標のことだ。代表的なKPIはROI(リターン・オン・インベストメント)で、これは投下した資金がどれだけの利益を生んでいるのかを表している。

 ROI=利益÷投資額(有利子負債+株主資本)×100

 リンダがもう一つ重視しているKPIが機械稼働率だ。この指標を使えば、機械ごとに、使用可能な時間のうち、どれだけの時間を製品の製造に使ったかをつかむことができる。

 つまりこういうことだ。UEPC上海は、K01の製造ロボットを1日24時間動かすことにしている。しかし、実際にK01を生産した時間はたったの15時間弱なのだ。つまり稼働率は60%ということだ。

 「未利用キャパシティーが収益性を押し下げているんですね」
 萌の口から専門用語が飛び出した。

「熱血! 会計物語~団達也が行く season3」のバックナンバー

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「第34話「もし機械稼働率が35%を切れば赤字転落ね」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師