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人間は、自分の仕事から多くを学び続ける限り、しあわせである

【48】幸福な農夫

  • アラン

  • 村井 章子

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2012年7月2日(月)

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【47】アリストテレスから読む)

今日の一言

労働は最もよいものであり、また最もよくないものである。最もよいのは束縛されない労働、最もよくないのは奴隷労働だ。

 労働は最もよいものであり、また最もよくないものである。最もよいのは束縛されない労働、最もよくないのは奴隷労働だ。私の考える最も自由な労働は、自らの知識や経験に基づいて、自分自身で段取りのできる労働である。たとえば扉を作る指物師がそうだ。もっとも指物師が自分の家の扉を作るときは、すこしばかり話がちがってくる。と言うのも、それは将来のための実験になるからだ。彼は木材を試しに使ってみて、予想通り裂け目ができたらにんまりすることだろう。

 こうした知性の働きは、何かを作っていないときには情念を生むことを、忘れてはいけない。人間は、自分の仕事の出来具合をたしかめながらひたすら打ち込み、そのもの以外に主人を持たず、そこから多くを学び続ける限り、しあわせである。船を造り、それを自分で操れるなら、もっといい。舵を動かすたびに仕上がり具合を試し、ひそかに凝らした工夫を心ゆくまで吟味できる。

 町外れに行くと、ときおり自分の手で家を建てている人を見かけることがある。手に入る材料を使い、暇をみてはすこしずつ建てて行く。宮殿といえどもこれほどの幸福を与えてはくれまい。王侯貴族にしても、自分で計画を立てて建造させるなら、心から満足できるかもしれない。それでも、家の扉の蝶番に自分で打った金槌の跡があるのを知っている人の方が、よほどしあわせ者である。

 こうしたわけで、まさに苦労が楽しみをつくると言える。どんな人も、命令に従って手順通りにやる仕事よりは、たとえ失敗があっても自分で考えてやる困難な仕事を選ぶだろう。最悪なのは、主人や親方が邪魔をしたり、途中で止めさせたりする仕事である。家事万端を引き受ける女中はしごく気の毒な職業で、料理をしていると床掃除を言いつけられたりする。とは言え威勢のいい女中は自分の仕事に口出しをさせず、働くことを謳歌している。

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