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役に立つ労働はそれ自体が喜びである

【49】労働

  • アラン

  • 村井 章子

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2012年7月3日(火)

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【48】幸福な農夫から読む)

今日の一言

四六時中勉強させようとする教育者は、子供を一生怠け者にしてしまう。

 ドストエフスキーは『死の家の記録』の中で、徒刑囚のありのままの姿を描き出している。よけいな虚飾や装いはすべて剥ぎ取られ、捨てきれない偽善はいくらか残っているものの、人間の心の奥底がふとしたはずみに顔をのぞかせる。

 徒刑囚は働いているが、労働のほとんどは無益である。たとえば薪が一文にもならないというのに、古い船を解体して薪を作っている。徒刑囚もそのことはよく知っていて、朝から晩まで何の希望なく働いている間、怠惰で陰気で手際が悪い。ところが予定外の一日仕事を与えると、たとえ困難な重労働であってもとたんに陽気になり、工夫をこらし、巧みな手腕を発揮する。雪かきのように実際に役に立つ仕事となれば、なおのことだ。

 ぜひともこのくだりを読むといい。そこには、無用の注釈は一切なしに真実が率直に語られている。それを読めば、役に立つ労働はそれ自体が喜びであることがわかる。けっして働いて利益が得られるからではなく、働くことが喜びなのである。

 たとえば決められた仕事を終えたら休息できるというだけで、徒刑囚は陽気にせっせと働く。一日の終わりにはきっと30分休めるという考えが彼らを活気づけ、さっさと終わらせようと全員の意見が一致する。それだけでなく、さっさと終わらせるという課題が現れたとたんに、課題自体がまた楽しみとなる。

 計画を立て、実行し、求めて作り上げる喜びは、その時間に期待しうることをはるかに上回る。とは言えその30分は、牢獄の30分に過ぎない。それでもなおその時間が楽しいとすれば、それは陽気な労働の生き生きした記憶のおかげだろう。人間にとっておそらくいちばん楽しいのは、自由で困難な仕事に力を合わせて取り組むことである。たとえばスポーツの試合を見れば、それがわかる。

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