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ヒーローの引き立て役たちが活躍するもう一つの「三国志」

庶民感覚の歴史である「稗史」を描く

2012年8月1日(水)

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 『三国志』と聞いて、読者諸兄はどのような登場人物を脳裏に思い描かれよう?

 まずは、演義の主人公として名高い蜀の劉備(りゅうび)と、義兄弟の契りを結んだ関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)や、軍師の諸葛亮(しょかつりょう)を挙げるだろう。そしてまた、それと対抗する勢力ともいえる魏の曹操(そうそう)、呉の孫権(そんけん)らも決して落とすことはできまい。

 そこについては、筆者も異を唱えるつもりなどなく、取り敢えず順当で穏当な人選と言っておこう。

 ただ、これまでの『三国志(演義)』といえば、皇帝か国王、また、それを儒教的な忠義の精神で支える英傑たちを中心に、予定調和を思わせる勧善懲悪(かんぜんちょうあく)劇が展開するパターンがほとんどであった。

 つまり、劉備善玉&曹操悪役が一般的な(特に「演義」)イメージといえる。

 もっとも、歴史書『三国志』の魏書では、曹操以下の曹丕(そうひ)ら皇帝位についた子孫の事蹟が、正式な皇帝の記録を載せた本紀(ほんぎ)として立てられている。それゆえ、魏を正当な中国の歴代王朝と捉えていると判るのである。

 確かに、国家の盛衰を追っていけば、権力を把握した人物と、彼を擁する忠臣を中心にすえて、物語を進めるのがオーソドックスな方法論であったろう。いや、世の移ろいが決定される瞬間を克明に描写するには、そうせざるをえなかったのだろう。

 一言で括れば、それが王朝の興亡を記した正史(せいし)に当たる。

 しかし、世の中を構成するのが、彼らだけでないのは無論のことだ。商人や職人、農民など底辺を構成する一般庶民から、彼らの精神的主柱になろうとするカルト教団のカリスマ教祖や修験者と薬剤師を兼ねた方士(ほうし)、啓蒙しようとする読書人たる処士(しょし)、策士、隠者、医師、下士官、果ては下剋上を志す軍閥(ぐんばつ)、そして権力者にまとわりつく後宮の美女や才女まで、実に多士済々(たしさいさい)である。

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「ヒーローの引き立て役たちが活躍するもう一つの「三国志」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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