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幸福も不幸もすべてはその時々の思考の流れ次第である

【60】慰め

  • アラン

  • 村井 章子

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2012年7月19日(木)

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【59】他人の不幸から読む)

今日の一言

悲しみも慰めも、小鳥のように枝に止まっては飛び去っていく。

 幸福も不幸も想像することはできない。ここで幸福や不幸というのは、文字通りの快楽や苦痛、たとえばリウマチや歯痛や拷問の苦しみのことではない。そういうものは、原因を考えれば、それに導かれておおよその想像がつく。たとえば熱い湯が手にかかった、自動車にはねられた、ドアに手を挟まれた、といった場合にはいずれも、自分の苦痛がある程度は想像できるだろう。いや、他人の苦痛も、原因がわかる限りにおいて想像することができる。

 だがどんな種類の考えが人を幸福にしたり、あるいは不幸にしたりするかということになると、他人についてはもちろん、自分についても予見も想像もできない。すべてはその時々の思考の流れ次第である。しかも私たちは、考えようと思ったことを考えるわけではない。いやな考えからいつの間にか脱け出したときなどは、とりわけそう言える。

 たとえば芝居は強い力で私たちを虜にし、別世界に引き込むが、その原因はと言えば、布に描かれた背景だの、大声でわめく男だの、泣きまねをする女だの、およそ貧弱なもので、そう気づいたらばかばかしくなる。だがこんな猿真似を見て、あなたは涙を流す。心から泣いてしまう。へたくそな長台詞に感動して、しばしの間全人類の悩みを引き受けたりもする。

 しかし一瞬後には、あなたは自分自身からもあらゆる苦しみからも、千里も離れたところにいるだろう。悲しみも慰めも、小鳥のように枝に止まっては飛び去っていく。あなたは赤面し、モンテスキューのようにこんなことを言う。「私には、一時間の読書で吹き払われない苦悩はなかったのだ」。だが本物の読書をすれば、本の世界に引き込まれるものである。

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