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「黄帝はお見通しだ。さあ、どんな悪さをした?」

【2】第一章 張角2

2012年8月21日(火)

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【1】第一章 張角1から読む)

 「病を得てからここへ来ても、手遅れということもある。日頃が肝腎なのだ」

 「それじゃ、どうすりゃ?」

 「導引の術で、完治した身体を動かすのだ」

 「その術は、どうして会得するんで?」

 「ここだ。我ら方士の張兄弟が教えてつかわそう。だから、隣近所も誘い合わせよ」

 徐州から冀州(きしゅう)の鉅鹿郡(きょろくぐん)鉅鹿県へ帰った張角と張宝、張梁らは、日頃は商売のため持ち帰った薬草を調合していた。だが、少しでも暇ができると『太平清領書』を読み漁った。そこには導引の術の他、病気退散や雨乞いの祈トウ(示/壽)方法が事細やかに記述してあった。

 だが、一番興味をそそったのは、最後の図解であった。そこが、問題の部分だ。

 「ここを使うのは、よく考えてからだ。しかし、それ以外の所は、明日からでも使える」

 張角は翌日から、不断は診療所に使っている道場の外に祠を建てて、そこに黄帝(こうてい・開国の帝王で諸侯の先祖)を祀り、その前に広場を設けた。そこで身体を充分に伸ばし、導引の術を披露して教えるためだ。

 それは現代の健康ストレッチのようなもので、鈍(なま)った関節や凝(こ)った筋肉を解(ほぐ)す働きをする。三兄弟が交替でそれをすると評判になり、始めは隣近所だけだったが、それから間もなくして、治療を受けた者らの評判が広まり、近郷近在からも訪れる者が多くなっていった。

 「これでは、診療所も広場も、今まで以上に拡げねばなりませんな」

  張宝が言うと、張角はにっと笑う。

 「ならば治療だけではなく、導引の術を教えるにも金銭を取れ。払える者にだけ教えろ」

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「「黄帝はお見通しだ。さあ、どんな悪さをした?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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