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「鼻薬を嗅がせば、一巻の終わりだ」

【4】第一章 張角4

2012年8月23日(木)

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【3】第一章 張角3から読む)

 「黄帝を崇(あが)める我らの、聖色は黄ぞ。幹部たちの頭巾は、黄で統一しよう」

 張角の命令で、太平道の是(これ)という物は、黄に塗(ぬ)られることとなった。それゆえ、大賢良師の座や患者に調合する薬の箱も、信者や患者の目印になる標識も、総て地色は黄になった。

 「鉅鹿郡から地方へ布教に行った者らにも、このことはしっかり伝えて結束を保とう」

 総本山的存在となった鉅鹿(きょろく)の大きな本部の周囲は、遠眼にもその色が際立って見える。すると、民間の一大勢力を好まぬ役人が、みだりに主上(皇帝の二、三人称)を表す黄を使うなと苦言を呈する。

 「游侠など怖くないが、太守が郡兵を動かせば、太刀打ちは敵(かな)いませぬな」

 腕に覚えのある張梁も、完全武装の強者を団体で相手にはできかねる。だが、張角は笑っていた。それでは、我が太守殿に挨拶に出向こうと、彼は翌日、馬車を仕立てて鉅鹿郡太守のいる庁舎へ面会を乞いに出かけた。

 「えっ、もうお帰りですか?」

 一日仕事と思っていただけに、昼前に帰ってきた張角を見て、弟二人は驚いていた。

 「鼻薬を嗅(か)がせば、一巻の終わりだ」

 太平道の看板を掲げて後、彼らの金銭は更に潤った。多少の出費はすぐに取り戻せた。だから、袖の下など痛くも痒くもないのだ。

 「地方へ行った者どもからも、日々金銭が送られてまいります。特に洛陽周辺までの城邑(じょうゆう・城壁で囲まれた都市)からの実入りが多いですな」

 「符水と、不妊治療が主な収入源か?」

 「はい、それと、最近我が提案した人形も、諸侯の姫妾(きしょう)に人気があるとか聞きつけます」

 「あまり阿漕(あこぎ)なことをするなよ。それでなくとも、もう危ない橋を渡っているのだ」

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「「鼻薬を嗅がせば、一巻の終わりだ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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