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「仲間全員は黄の頭巾を被って同士を確認しよう」

【5】第一章 張角5

2012年8月24日(金)

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【4】第一章 張角4から読む)

 「皇后が、巫蠱(ふこ)を行ってたとよ」

 「以前は渤海(ぼっかい)王が、主上を呪詛したって聞いたけど、今度は皇后か?」

 「最近可愛がられるのは、何(か)貴人(きじん・後宮での位)ばかりだから、きっとそちらを呪ったんだろうな」

 「それじゃ、宋皇后は廃位だろうな」

 宮廷内の醜聞が、巷にまで聞こえてきた。それは、後漢の末期的症状でもある。

 「まさか、我らの人形が、皇后にまで出回ったわけじゃなかろうな?」

 張角が黄帝の祭壇を拝みながら口を歪め、調子に乗った連中を呪って毒突いた。

 「いえ、馬元義(ばげんぎ)のやつが」

 応える張宝も、顔色が蒼くなっている。

 「事が事だけに、ちょっとやそっとの賄賂(わいろ)では、もうすまなくなるぞ」

 最初は、飾りの人形で人気を博した。ところが、不心得者がより収入を見込める巫蠱に手を出したのだ。呪いの呪文を心得ている巫女と組んで、桐の人形に悪鬼の魂を入れたのである。ところが世の中には、それを欲しがる人が案外多かったのだ。

 「儲けが大きいので、つい回数を重ねたらしいです。そいつが洛陽へ行って、また、あろうことか、宦官相手に人形を売ったとか」

 師範代や弟子、信者の出入りを見張る張梁も、末端まで監督できない。金銭がどんどん流れてきているので、気にしなかったのだ。

 「宦官が、その皇后へ渡したのだろうが、そいつはきっと消されてるはずだ」

 後宮を取り仕切っている宦官の長は、蹇碩(けんせき)や張譲(ちょうじょう)、趙忠(ちょうちゅう)といった一筋縄でいかぬ大物だ。彼らをどのように取り込むかで、太平道の取るべき道が決まってくるのである。

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「「仲間全員は黄の頭巾を被って同士を確認しよう」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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