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失敗すると思えば失敗し、無力だと思えば何もできない

【68】楽観主義

  • アラン

  • 村井 章子

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2012年7月31日(火)

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【67】汝自らを知れから読む)

今日の一言

自分の自分に対する信頼を大事にしないのは、たいへんなまちがいである。失敗すると思えば失敗するのだ。

 「神様、どうかあれが畑の番人ではありませんように」――畑の中に迷い込んだ無邪気な女子学生たちは、男が近づいて来るのを見て、動転して祈った。祈ったところで手遅れだから間抜けな話だが、この話をとっくりと考えてみて、私はようやく人間というものを理解した。なるほど、少女たちはすっかりうろたえている。だが混乱しているのは、考えより言葉の方だと言えよう。考えることより話すことを先に覚えた人間にとっては、これは誰にでも起こりうることである。

 この話を思い出したのは、ある人が楽観主義者を非難していたときのことである。この人はかなり教養のある人なのだが、足を踏み鳴らして、「わざとらしい楽観主義者」だの「根拠のない期待」だの「自己欺瞞」だのと立腹していた。

 彼の標的になっていたのは、アランという哲学者だった。こやつは無知で、まだ野蛮人のような輩であり、人間は自ずから誠実で謙虚で理性的で愛情深い生き物だと考えたがっている、という。平和と正義は手に手を携えてやって来るとか、軍人の徳が戦争をなくすとか、有権者は最もふさわしい人を選ぶとか、いろいろとおめでたい戯言を吐いているが、そうではないという証拠はどっさりあるのだし、そんなことを言っていても現実は何も変わらないのだ、という。

 この人はさらに付け加えた。あれでは、散歩に出かけようとした人が玄関口まで来てこういうのと変わらない。「おやおや、黒雲が出てきた。もっと気分よく散歩したかったのに。せめて雨が降らなければよいが」。そんなことを言うよりは、雨が降ると予想して、傘を持って出る方がいいではないか、と。

 こんな具合にさんざん馬鹿にされたが、私は笑っていた。なぜなら、彼の理屈は見かけこそ立派だが、表面的で、ぺらぺらの書き割りに過ぎないからだ。だからすぐに私は、我が家の厚ぼったい田舎風の壁をたしかめたものである。

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