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生活保護210万人時代、何が問題なのか?

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2012年7月31日(火)

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1つのテーマにも様々な見方がある。このコラムでは、1つのテーマをめぐって対照的な考え方をまとめた2冊の本を紹介する。今回のテーマは「生活保護」だ。

働ける世代の受給者が急増

NHKスペシャル
生活保護3兆円の衝撃

NHK取材班
宝島社 1300円
ISBN978-4-7966-9713-2

 本書は昨年9月に放送され大きな反響を呼んだNHKスペシャルを書籍化したもの。大阪市の生活保護の実態を追った取材班がとりわけ注目するのが、 2009年以降に受給者数が急増したことだ。その直接的な原因は、リーマンショック後に厚生労働省から、働く能力がある世代の受け入れを認める通知が出されたことにあるという。

 「働ける世代」の受給者数増加は、一方で生活保護をターゲットにした「貧困ビジネス」を拡大させた。その典型的な手口は、路上生活者やホームレスに生活保護を申請させた後、アパートやマンションに囲い込んで、生活資金をかすめ取るというものだ。

 NPO(非営利組織)を隠れ蓑にした貧困ビジネスのカラクリを浮き彫りにしていく第3章、大阪市と貧困ビジネス業者との対決を描いた第4章など、取材班は生活保護の闇の部分に焦点を当てている。

 働く能力のある人々が生活保護に流入することを食い止める対策としては、厚生労働省が設けた、生活費を受給しながら半年間職業訓練を受けられる制度や、生活費や家賃を低金利で借りることができる制度を紹介している。だが、その効果について、本書は否定的だ。

 取り上げられている事例の多くは、現行の生活保護制度では自立に大きな困難を伴うことを物語っている。制度の改善案として、受給期限の設定と自立支援プログラムの強制、受給中の就労賃金を凍結預金口座に預金できる制度などが、識者の発言とともに提言されている。

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