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悪口には理解すべき意味などない

【72】悪口

  • アラン

  • 村井 章子

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2012年8月6日(月)

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【71】親愛の情から読む)

今日の一言

自分の考えを表現したいなら、自分を律しなければならない。

 蓄音機が突然あなたに向かって悪口を言いはじめたら、きっとあなたは笑い出してしまうだろう。口もきけないほど不機嫌になった人が、怒りを爆発させる代わりに悪口蓄音機をかけたとしよう。それを聞かされた人は、どれほどひどい罵詈雑言が混じっていても、自分に向けられたとは思うまい。

 だが悪口が人間の顔から発せられたとたんに、前々からあいつはそう思っていたのだとか、少なくともこの瞬間はそう思っているのだと、誰もが考えたがる。人の口から考えなしに吐き出される言葉には、必ずと言っていいほど饒舌な情念や意味らしきものがまつわりついているため、それに幻惑されてしまうのだろう。

 デカルトの著作に『情念論』がある。これはあまり読まれていないが、デカルトが書いた中で最もすばらしい著作である。この本の中でデカルトは、人間というものは、身体の調子や習慣付け次第でいともやすやすと思考を装えるものだ、と論じた。

 このことは、まさに私たちに当てはまる。ひどく怒ったとき、私たちはまず、肉体的な怒りにぴたりと一致するような事柄を次々に思い浮かべる。そういう事柄が鮮明に思い浮かぶほど、怒りを裏付ける立派な証拠になるわけだ。それと同時に、名優の演技よろしく自分を酔わせるような、もっともらしくて印象的なセリフを考え出す。

 そこで相手が同じように興奮して言い返そうものなら、もう大騒動になるだろう。こんなときには、考えが先にあって言葉が出て来るのではなくて、言葉を考えが後追いするのである。演劇における真実とは、役者が自分のセリフを言った後で、その意味を絶えず考えることに存在するのではあるまいか。セリフは神託のようなもので、演技者はその意味をいつも探している。

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