• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

第41話「そんな世の中になったら、エネルギー業界は破滅だよ」

2012年8月22日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回までのあらすじ

 団達也は物理学者のミミと一緒にボルドーへ行き、水から水素を生成する装置を発明した科学者、ダニエル・ベルモントに会いに行った。
 初めて会う達也にダニエルは猜疑心を抱いていたが、次第に心を開いていった。
 ダニエルは、ミミと達也をサンテミリオンのワイナリーに連れて行った。そこには、水素製造機の完成品があった。
 達也はその場で日豊自動車の湯浅社長に連絡をした。
 リンダは、萌と二人で日本に帰ろうとしていた金子を上海に引き留めていた。UEPC上海のK01製造工場のロボットを直せるのは、開発した金子だけだった。
 UEPCは、社外取締役の弁護士、キースを通して、達也の居所を逐一把握していた。

UEPC

 「UEPCパリからです」

 間中はプリントしたメールをマイケルに差し出した。UEPCは世界中の主要都市に営業所を構え、ビジネスを展開している。これらは、製品を売るためだけでなく、世界中の情報を収集する拠点でもある。

 さらに、特定人物、例えば競争相手の主要人物、達也、ダニエルの動向をリアルタイムでニューヨークに報告するのも、駐在員達の重要な仕事だった。

 「どうやらダンはボルドーのダニエルと接触しているようです」
 と、間中が言うとマイケルは渋い表情を浮かべて口を開いた。

 「ダニエル! あいつがボストンの大学から水素製造機の設計図を勝手に持ち出したんだ。きみは知らないと思うが、あの研究はうちの寄付で成り立っているんだよ」
 マイケルはいら立ちを隠そうとしなかった。

 「その水素製造機とやらは、優れものなんですか」

 マイケルが葉巻をケースから取り出し、ガスライターで火をつけると、甘い香りが部屋中に立ちこめた。

 「考えてもみたまえ。私たちが目指している家庭用水素製造機が電気冷蔵庫のように普及したらどうなるか。なにしろ、水から氷を作るように、すべての家庭で水から電力が作れるようになるんだからね」

 「夢のような話ですね。ミスター・ウッズ」

 間中は、作り笑いを浮かべて答えた。すると、間中が思ってもいなかった言葉が、マイケルの口から飛び出した。

 「それが困るんだ。悪夢だよ」

 「どうしてですか…」

 「そんな世の中になったら、エネルギー業界は破滅だよ。石油も石炭も天然ガスも地球上に偏在していて、一部のメジャーがそれを牛耳っているから、世の中は平和なんだ」

「熱血! 会計物語~団達也が行く season3」のバックナンバー

一覧

「第41話「そんな世の中になったら、エネルギー業界は破滅だよ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授