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「あんなに巧くいくのは、虚偽報告だ」

【16】第四章 董卓1

2012年9月10日(月)

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【15】第三章 孫堅5から読む)

 『壟断(ろうだん)』という言葉がある。利益を独占することである。「壟」とは切り立った丘を意味し、高い所から市を眺めて店を出すのに一番適した場所で商うと、品物がどんどん売れたという故事に由来する。

 「壟」は「隴」にも通じ、高い所や盛り上がった丘の意になっている。

 今回の主人公たる董卓(とうたく)は、涼州の隴西郡(ろうせいぐん)出身で、隴西とは隴山(六盤山)の西の意である。隴山は甘粛省の東端に聳(そび)えている。そこの関所が隴関(ろうかん。別名、大散関・だいさんかん)で、シルクロードの出入口に当たる。

 彼が育った臨トウ(三水/兆 )(りんとう)県は、渭水の源あたりにある。中原(都の洛陽周辺)の漢人から見れば、羌族(きょうぞく・チベット系遊牧民)が跋扈(ばっこ)する僻地だ。

 そんな所に、左右のどちらにでも弓を構える武人がいた。上背もあって、筋骨逞しい武この人こそ、董卓であった。彼は良家の子弟として羽林郎(うりんろう・盗賊の取り締まり)に抜擢され、中郎将の張奐(ちょうかん)に従って并州(へいしゅう・山西省の大部分及び内蒙古自治区と河北省の一部)で侵入してきた匈奴の討伐に当たった。

 それは、延熹9年(166年)頃である。

 董卓は器用に左右へ矢を射ち分け、常に一位の武勲に輝いた。また、矢が尽きて短兵(槍や刀)を振るっても、盗賊二、三人を相手にする武勇を示した。大きな身体ではあったが、若い当時は関節が柔軟に動かせたのである。

 「武器の使い方も巧いが、おぬしは匈奴の習性をよく知っておる。はて、どうしてだ?」

 同僚たちは、彼の働きに感心して訊く。

 「故郷の臨トウには、羌族がうようよいてな。俺は、特に暴れん坊と付き合ってたんだ」

 「それで、故郷でも羽林郎をしてたのか?」

 「いや、畑を耕しながら武術の鍛錬だ。それであるとき、牛に鋤を付けて耕してたら、羌族が仲間連れて遊びに来やがった」

 「まさか、盗賊じゃなかろうな?」

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「「あんなに巧くいくのは、虚偽報告だ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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