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「わたしの命と引き替えに、母と赤子は助けて!」

【24】第五章 貂蝉4

2012年9月21日(金)

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【23】第五章 貂蝉3から読む)

 ある日、洛陽郊外へ馬車で遠出することになった。現代風に言うなら、ピクニックである。弁当や酒肴を用意して、楽人も連れての遊興だった。景色の良いところで食べ物を拡げる爽快さは、宮殿のそれとは格段に違う旨味を添えてくれた。

 しかし、帰路に酸鼻を極める事件が起こった。陽城という城邑に差しかかったとき、宰相の一行を旅芸人一座と勘違いした村人に対し、虐殺に近い無礼討ちに処したのである。

 杜容は目を伏せていたが、馬車の陪乗者役の呂布も震えていた。真剣勝負を繰り返した強者の、それは恐れではなく、明らかな怒りと見て取れた。

 孫堅が南から攻め上がってくる勢いに押され、董卓は遷都を決行した。洛陽を焼き払って、皇帝協を連れて長安へ移るのである。

 杜容ら姫妾たちにとっても、また引っ越しの苦労である。だが、黒煙がもうもうと立ち昇る洛陽を背後に見れば、それを反董卓軍の進軍と見紛うほどだ。皆、急がねばならぬと心ばかりが先へ行った。

 長安へ着いた董卓は仮の宮殿を設え、宰相より上の太師を名告(なの)った。その権威を振りかざし、着々と恐怖政治を始めた。それは、買い占め商人や親不孝、不忠者、不信者、迷惑者の告発である。密告した者には報奨金が与えられるというものだった。

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「「わたしの命と引き替えに、母と赤子は助けて!」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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