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第43話「国のため? 私は愛国主義者じゃないわ。そんな詭弁は大嫌いよ」

2012年9月5日(水)

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前回までのあらすじ

 団達也は物理学者のミミと一緒にボルドーへ行き、水から水素を生成する装置を発明した科学者、ダニエル・ベルモントに会いに行った。
 ダニエルは、ミミと達也をサンテミリオンのワイナリーに連れて行った。そこには、水素製造機の完成品があった。達也はその場で日豊自動車の湯浅社長に連絡をした。
 日豊自動車では、社長の湯浅が「燃料電池車の開発に社運をかける」と取締役会で発言していた。
 細谷真理は、ジェームスと一緒にロンドンを拠点に再生可能エネルギーの調査を行っていた。ジェームスは優良な投資先を探していた。
 真理はパリで出会ったミミのことをジェームスに伝え、その場でミミに電話を掛けた。
 リンダの上海にある工場のロボットはプログラムの不具合で止まったままだった。金子は修理に必要な制御プログラムをリンダに渡す前に、フランスにいる達也と会いたいとリンダに言った。

パリ 真理と達也の会話

 「団さんなの? 今までどこにいたの?」

 真理の声を聞きながら、達也は一年前のことを思い浮かべた。MTCが解散した時、達也は真理をリンダに託した。次のビジネスに向けての準備が整ったら、真理を呼び戻すつもりだった。

 だが、予想もしていなかった事態に、達也は戸惑いを隠せなかった。

 真理も達也の声を聞くとは思わなかった。リンダのもとで働いている間も、いずれは達也とビジネスをするのだと思っていた。だからこそ、達也に言われるままに、リンダの会社で働くことにしたのだった。

 とはいえ、真理の思いは複雑だった。達也から連絡があると思って一年間ずっと待っていたのに、一向に連絡はなかった。その達也が、今はミミと一緒にいる。

 真理にとっての達也は、ビジネス上の師であり、共に戦ってきた友であり、それ以上の思いを抱かせた相手だった。

(団さんと出会わなかったら、今ごろはお父さんの魚屋を継いでいたはずなのに…)

 それは、真理の偽らざる心境だった。そんな気持ちにまったく気づかないかのような言葉を達也は口にした。

 「きみこそ、リンダのところで働いていたのではなかったのかい?」

 「いいえ。今はジェームスの下で働いています」

 「ジェームスと一緒なんだ」
 達也の口調がわずかに変化したのを、真理は聞き逃さなかった。

 「じゃあ、ミミが言っていた投資家っていうのはジェームスのことなの?」

 「そのようですね。ジェームスに代わります」」
 真理は冷めた口調で答えた。

 「やあ、タツヤ、きみが出るとは思わなかったよ!」
 ジェームスは何の屈託もなく達也と話し始めた。

「熱血! 会計物語~団達也が行く season3」のバックナンバー

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「第43話「国のため? 私は愛国主義者じゃないわ。そんな詭弁は大嫌いよ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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