• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「温厚かつ、孝行で清廉な人物です。しかも、光武帝の血を引く…」

【30】第七章 劉虞1

2012年10月1日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

【29】第六章 蔡ヨウ(巛-邑)5から読む)

 『七人の侍』という、黒澤明の有名な時代劇映画があった。感動したユル・ブリンナーが著作権を買って、『荒野の七人』を作ったという曰(いわ)く付きの逸品でもある。

 この筋書の中で、三船敏郎演ずる菊千代が系図を見せびらかす件(くだり)があった。だが、具(つぶさ)に年代を調べると、当人が17歳でなければならず、偽造もしくは盗んだ物と判定されて、観客にまで笑いを誘う一齣(ひとこま)となっている。

 『三国志演技』の主人公たる劉備は、漢帝劉氏の血統を誇っていた。つまり、それ故に漢を継承する資格があると主張したのだ。ここは、百歩譲って彼の言葉を信じてみよう。

 そうして系図を遡(さかのぼ)れば、中山王の劉勝(りゅうしょう)に至るという。

 この王は前漢景帝(けいてい・劉啓)の公子(皇帝の息子)で、武帝(ぶてい・劉徹)の異母兄に当たる。『史記』を繙(ひもと)けば、この王には、百二十余人の子供がいるとの記録がある。

 そうすると、劉備の言う系図が正しいとしても、劉氏傍系の傍系の傍系ということになり、どこまで血統に値打ちがあるか、首を傾げざるをえない。それでも血統を大切にするところに、中国的な価値判断があるようだ。

 しかし、劉虞(りゅうぐ)は同じ劉氏の血を引く者でも、劉備よりは出自がはっきりしている。彼は光武帝(劉秀)の傍系だが、代をあまり重ねていないので、先祖を辿(たど)り易かったと言えよう。

 光武帝の長男劉彊(りゅうきょう)は東海国王を務め、彼からの血脈がつづき、祖父劉嘉(りゅうか)は光禄勲(こうろくくん・皇帝の身辺警護係の大臣)、父の劉舒(りゅうじょ)は丹陽郡(たんようぐん・安徽省南部)太守(知事)であった。

 出自が高貴と言われる場合、立ち居振る舞いが優雅でも、精神に人を見下すように遺伝子を組み込まれた厭な輩が必ずいる。また、その確率も高くなる。だが、時には温厚な人格者もいるものだ。

 劉虞は、その希な一人だったらしい。

コメント0

「サテライト「三国志」群像」のバックナンバー

一覧

「「温厚かつ、孝行で清廉な人物です。しかも、光武帝の血を引く…」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

富士山を目標にする人はいつか富士山には登れるでしょうが、エベレストには登れない。

澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長