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「いえ、雪隠へ逃げた曹嵩が勝手に汚穢溜へ落ちたのです」

【38】第八章 陶謙4

2012年10月12日(金)

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【37】第八章 陶謙3から読む)

 「黄巾賊同様、徐州転覆を謀る妖術師の一派。教祖ともども、素直に縛(ばく)に就け!」

 突然怒鳴られた信者たちは、何が何だか判らなかった。そのうえ、何の抵抗もせぬうちに、矛を持っている者は斬られたり射られたりし、恐慌状態で逃げ出そうとした者らは、全員が捕らえられた。闕宣(けっせん)も謀反の先導者として即刻処刑され、天帝教の財産は総て没収されたのである。

 いや、それだけではなかった。捕らえられた信者らは兵にされ、泰山郡へ行って警備手薄な城邑を襲わされた。また、一部は下ヒ(丕/大里)郡の費県へ連れて行かれた。

 行き先は城邑ではなく、隠れ処のような瀟洒な屋敷であった。警備の要員も多少見える。

 「いいか。おまえらは、天帝教信徒の格好であの屋敷の主人を攫(さら)え。そこを、我らが捕らえに出向く。いいな?」

 だが、事は予定どおり運ばなかった。

 「馬鹿者。殺しては意味がなかろう」

 「いえ、雪隠へ逃げた曹嵩(そうすう)が、妾(めかけ)たちを盾にしたうえで、勝手に汚穢溜(おわいだめ)へ落ちたのです」

 張ガイ(門/豈)の説明を聞きながら、陶謙は顔をしかめていた。筋書が、詰めですっかり狂ったからだ。

 天帝教の信徒を巧(うま)く騙(だま)して武器を持たせ、反乱を企てたとして、百人程と闕宣を処刑する。同時に財産と全信徒を徐州軍に組み込み、経済と軍事を増強する。

 ここまでは、そつがなかったのである。

 徐州軍に編入した元信徒たちを、曹操の支配地たるエン(亠八兄)州へ侵入させ、城邑の食糧や燃料を略奪させた。その後に、盗賊は捕らえたと発表するつもりであった。

 なおかつ、逃げた一味が曹嵩の屋敷へ侵入し、護衛を殺して家族を拉致する。それを、徐州軍が救い出す予定だった。だが、本人が死んだので、放っておくしかなかったのだ。

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「「いえ、雪隠へ逃げた曹嵩が勝手に汚穢溜へ落ちたのです」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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