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第47話「きみの会社をはじめ、投資ファンドは好き勝手できなくなったはずだ」

2012年10月3日(水)

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前回までのあらすじ

 ボルドーの新市街地にあるレストランに、達也、真理、ミミ、湯浅、ジェームスが集まった。金子と萌も到着する予定だった。
 達也は、MTC解散の後、何をしていたかをみなに説明し、湯浅が社長を務める日豊自動車が作る燃料電池の発電効率を高める技術や水素の調達方法などが課題だが、水素製造機をダニエル博士が作ったことで、この課題も解決できるはずだと言った。
 サンテミリオンに水素製造機があることを言うと、真理は「サンテミリオンに間中とキースによく似た人がいた」と言った。

サンテミリオン

 木製の扉が開いた。小柄の東洋人は、思いっきり愛想笑いを浮かべて白人の男に話しかけた。

 「ドクター・ダニエル。お会いできて光栄です」

 「……」

 「先ほど電話したUEPCの間中ですよ。今日は博士の特許の使用許諾をいただきに参りました。これが、弊社の弁護士が作った契約書です。金額の欄はご自由に埋めていただいて結構です」

 するとダニエルは複雑な表情を浮かべて言った。

 「ムッシュ・マナカ。実を言いますと、特許は取得しておりません。発明したのは私ですし、それを証明する資料はいくらでもありますから」

 と言うと、ダニエルは間中を居間に招き入れ、分厚いノートを開き間中に見せた。

 そこには、家庭用水素製造機の構造やアイデアが日記風にフランス語でぎっしり書かれていた。

 「実験ノートです。着想したときから完成までの経緯はこれで十分証明できます。あなたの会社は確かアメリカでしたね。もしもあなたが私の発明を盗んでも、私は勝てます」

 ダニエルは先に発明した者に特許を付与する先発明主義をとるアメリカを意識して話していることは、間中にも分かった。

 「それに仮に、出願したら間違いなく真似されます。世界には知的財産はタダと思っている国が少なくありませんからね。しかも特許権を維持するにはコストがかかる。私のような貧乏科学者には払えるお金などありませんよ。だから、特許は申請していないんです」

 そんなダニエルの話を聞きながら、間中はニヤッと笑った。

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「第47話「きみの会社をはじめ、投資ファンドは好き勝手できなくなったはずだ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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