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「それなら、こちらから特赦を請願すればどうだ?」

【40】第九章 李カク2

2012年10月16日(火)

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【39】第九章 李カク1から読む)

 「軍資金を山分けするのも、一つの方法だがな。もう少しようすを見たらどうかな?」

 そう言うのは、賈ク(言/羽)だった。

 「どういうことだ? 追討令が出ているのなら、ここにいては反董卓軍と正規軍の挟み撃ちにならぬとも限らんぞ」

  李カク(確の石が人偏)と張済は、賈ク(言/羽)を見つめながら疑問を口にした。

 「李粛があっさり引き下がったのは、牛輔の言葉よりも、城内の兵力を考えたからだ。考えても見ろ。董太師の兵力は、ほとんど我らが城外へ持ちだしているのだぞ」

 「だが、向こうは主上(皇帝の二、三人称)を戴(いただ)く正規軍ではないか」

 今度は、郭シ(三水/巳)と樊チュウ(禾/周)が脣を歪(ひず)めた。

 「だから言うのだ。主上を戴くからこそ、彼らには我らと戦わずにすむ切り札がある」

 「何だと。それじゃ、追討令を取り消すと言うのか?」

 「そうだ。特赦(とくしゃ・罪の帳消し)を出せるのは、主上の特権だ。今は、王允が主上にそれを諮(はか)るかどうかだ」

 だから李粛も、降服を勧めただけであっさり引き下がったと考えれば、納得がいく。

 「確かに、追討令が出ているにしては、城内から呂布も出てこぬからなァ」

 涼州(りょうしゅう)組と呼ばれる彼らは、呂布ら并州(へいしゅう)組と不断から別の隊を編成していた。仲が良かったわけではないが、かといって特別啀(いが)みあってもなかった。だから、このような事態になっても、まだ救いがあったのだ。

 「そうだ。やつらも、城内をどう整理するかで右往左往しているはずだ」

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「「それなら、こちらから特赦を請願すればどうだ?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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