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「いや、気になる女がいただけだ」

【44】第十章 張済1

2012年10月22日(月)

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【43】第九章 李カク5から読む)

 「あのお方に、御執心だったとはな」

 張済は、やはり李カク(確の石が人偏)とは一線を画すべきだと思って、陜(せん)へ戻ったのだった。

 董卓が長安へ遷都して後、彼も涼州組の一人として陜に駐屯した。当時、指揮していたのは、董卓の娘婿の牛輔だった。

 そこでの当面の仕事は、董卓と対抗する朱儁(しゅしゅん)の攻撃を防ぐことだった。いや、それどころか、彼を撃退までした。そんなおり、董卓が呂布に暗殺された。

 知らせを聞いて、張済は直ぐに陜へ戻ってきた。しかし、李カクはなかなか帰ってこず、4、5日遅れた。どうせ、特赦を待っていたのだから、それで迷惑がかかったわけではない。だが、朱儁の残党狩りをしてたのなら、張済は借りを作ったかと懸念した。

 もっとも張済は、李カクが造った蚩尤(しゆう)を祀った祭壇を、軍資金の隠し場所にしていて、李カクの迷信深さを巧(うま)く利用していた。実際、李カクは蚩尤への供え物として、羊の生首を飾ったりしたので、涼州組はその腐敗臭に辟易(へきえき)したものだった。だから、祭壇に近づく者はなかったので、資金の隠し場所として重宝した。

 遅れて帰ってきた李カクに、張済が訊いた。

 「袁術の部下が、朱儁の加勢に来たのか?」

 「いや、気になる女がいただけだ」

  李カクはにっと笑って言った。

 「それは、お楽しみだったな」

 張済も溜息を吐いて、ふっと笑う。

 「おまえも知っている女だがな」

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「「いや、気になる女がいただけだ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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