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「まあ、お人好しというのは、殿のようなお方のことですわ」

【47】第十章 張済4

2012年10月25日(木)

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【46】第十章 張済3から読む)

 皇帝協の元服(げんぷく・当時は13歳の成人式)の儀が執り行われたのは、興平元年(194年)である。その年、徐州の陶謙を攻撃していた曹操は、袁紹の陣から飛び出してきた呂布を受け入れたものの、陣地を空けている隙に反乱を起こされ、一路遠征を取り止めてエン(亠八兄)州へ帰っている。

 「これで袁紹も曹操も、長安へ撃って出てくることは、当面なさそうだな」

 「公孫サン(王/贊)は袁術と同盟し、孫堅亡き後を嗣いだ孫策も、袁術と誼を通じていますから、袁紹と曹操はますます窮地ですね」

 「いや、曹操は、行き場を喪っていた青州黄巾賊三十万人を傘下に収めたから、そう易々と潰れそうにもないんだ」

 張済は、甥の張繍(ちょうしゅう)と胡車児(こしゃじ)を相手にして、話し合っていた。

 「陜(せん)から東の状況はそうですが、長安の方はだんだん厄介(やっかい)なことになりやせんかね?」

 胡車児が言うのは、李カク(確の石が人偏)と郭シ(三水/巳)の関係だ。

 張済の妻(鄒娜・すうだ)の読みどおり、彼らの関係は悪くなりつつある。事の起こりは、郭シが肩に化粧品を付けて帰ったからだ。

 郭シの妻は、李カクが下働きの女を世話したのかと疑いだしたらしい。そこで、夫を李カクの屋敷は行かせない画策をしたのだ。

 あるとき、李カクから郭シ宛てに、牛肉が贈られてきた。受け取った妻は周囲を見て、誰もいないことをいいことに、毒茸の煮汁を掛けてまた包み直しておいた。

 帰宅した郭シが、喜んだところで注意する。

 「この長安を牛耳っているのは、殿と李カク殿でしょう。一方が倒れれば、もう一方はほくほく顔じゃございませんの?」

 「いや、今まで一緒にやってきた仲だから、今更そんなことは」

 一向に疑いを向けない夫に、妻は苛立(いらだ)って更に一言加える。

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「「まあ、お人好しというのは、殿のようなお方のことですわ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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