• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「われらを、長安周辺の諸侯に、封じていただけばいいではないか」

【48】第十章 張済5

2012年10月26日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

【47】第十章 張済4から読む)

 皇帝協の婚礼は、興平2年(195年)李カク(確の石が人偏)の屋敷で行われた。それというのも、郭シ(三水/巳)と不和になったからだ。長安で争うのであれば、皇帝協を戴(いただ)く方が有利に決まっている。

 少し前、李カクは一計を案じ、甥の李利に宮廷へ乗り込ませた。彼の背後には、数千の兵が付いている。

 「主上の身に、危険が迫っています。どうぞ、御一緒においでください」

 「いったい、どのような危うい事情があるのじゃ?」

 誰でも、事情は訊きたくなるものである。

 「御所に火をかけて、主上を攫(さら)おうとする不埒者がいると、通報があったのです」

 それは、暗に郭シを指している。李利は皇帝協を馬車に乗せると、宮廷人や皇后伏氏と宮女らを引き連れて李カクの屋敷へ案内した。

 このとき、彼は空になった御所に火を掛けることを忘れなかった。それも、郭シの手の者の仕業と吹聴した。

 張済が、このような経緯を知ったのは、胡車児(こしゃじ)の観察による。彼は胡人(西域の異民族)の血が入っていて、敏捷で注意深かった。だから長安へ使いしたときには、必ず李カクと郭シの陣営を見ていたのだ。

 「しかし、李カクも姑息(こそく)だな。結局は、主上を軟禁することになろう」

 それが、もしあの蚩尤(しゆう)を祀っている倉に押し込めたりすれば、皇帝協は新婚生活どころではなく、確実に寿命が縮もう。

 「婚礼の最中にも、矢が飛び交ってやしてね」

コメント1

「サテライト「三国志」群像」のバックナンバー

一覧

「「われらを、長安周辺の諸侯に、封じていただけばいいではないか」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トップの身の丈が組織の限界を作る。

多田 荘一郎 GEヘルスケア・ジャパン社長兼CEO