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「曹操に付くことも、あり得るのか?」

【52】第十一章 鄒娜4

2012年11月1日(木)

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【51】第十章 鄒娜3から読む)

 「あの人は、流矢に当たったのよ」

 鄒娜(すうだ)は、他人にはそう言っていた。だが、実際には違っていた。重し代わりに死骸を括(くく)り付けた丸太が、扉を開ければ衝車のように当たるよう仕掛けられていた。

 しかも、木乃伊(ミイラ)になった主人が、丸太に乗って、槍を抱えていた。つまり、扉を開けると、突き殺される悪趣味な仕掛けだ。

 「死んでからでも、悪戯するような素封家って、何者なの?」と、周囲に訊いて回ったが、穣県では誰も知らなかった。張済は、見ず知らずの趣味の悪い金持ちに殺されたのだ。

 だから、張済の遺体ともども、焼いて形跡を消したのである。普通は土葬だが、そうせねば、末代まで祟られそうな気がしたのだ。

 ようやく劉表に連絡がついた。張繍(ちょうしゅう)が後を嗣ぐことで、劉表は受け入れを表明した。そして、受け持ち区域は穣県付近とされた。

 「ここの領主になれったって、痩せた土地だけだからな」

 「それよりも、近々曹操の攻撃にさらされそうです」

 それは、呂布に裏切られた曹操が、彼を徐州へ追い出して、再びエン(亠八兄)州・河南省)を奪還し許都へ戻ってきたからだ。

 「呂布を劉備に押し付けて、今度は荊州を狙うでしょうから、ここが最前線になります」

 賈ク(言/羽)の説明を聞かずとも、劉表は張済も張繍も、ただの矢弾避けの盾に使うつもりで、受け入れる振りをしながら、実際は追い立てているようだ。

 「劉表の意向も判るな。もし、俺がやつでも同じことをしよう」

 「そこなのです。劉表の対応がそれならば、こちらは彼と曹操を秤に掛けるまでです」

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「「曹操に付くことも、あり得るのか?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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浜田 健一郎 ANA総合研究所 シニアフェロー・前NHK 経営委員長