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「おことの前夫が、儂の代わりに逝ったのなら、責任を取らねばなるまい」

【53】第十一章 鄒娜5

2012年11月2日(金)

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【52】第十章 鄒娜4から読む)

 「そいつは、呂伯奢(りょはくしゃ)だな」

 曹操が、宛に建てた鄒娜(すうだ)の屋敷へ通ってくるようになって、数カ月が過ぎる。ようやく気を許した彼女は、夫の最期を話した。

 すると曹操は、思い当たる節があると言う。

 「どういうお方ですの?」

 鄒娜が詳細を聞きたがると、曹操も言い淀んでいた。だが、彼女が執拗に訊くので、ようやく意を決したように語り始める。

 「丁度、董卓が洛陽へ乗り込んで来たとき、捕らえられては殺されるやもしれなんだ」

 だから、一族を早々に故郷のショウ(言/焦)県へ逃がし、自らは遅れて、夏侯惇(かこうとん)や夏侯淵(かこうえん)、それに陳宮(ちんきゅう)らと連れだって逃げた。

 そして、途中で呂伯奢を頼って一晩の宿を請うた。すると、主人である彼は不在で、使用人たちが、笑いながら離屋敷を提供してくれたらしい。

 「だが、疲れを取ろうと休んでると、砥石(といし)を使う音がしたんだ。それで探ってみると、『猿轡(さるぐつわ)』とか『後頭部を金槌』などの台詞が聞こえて、やつらが、儂らを捕らえて売るものだと思ってな」

 そこで曹操は。、夏侯惇や夏侯淵と共謀して使用人たちがいる厨(くりや)へ、剣を抜いて殴り込み、全員を殺害したのだった。だが、周囲を見て驚いた。彼らは夕餉の支度をして、猪や鶏を料理しようとしていたのだ。 全くの誤解だったが、呂伯奢の帰りを待って説明するにも、董卓の追っ手に捕らわれるかもしれない。そこで、遺体だけを隠して、心ならずも逃亡したという。

 「呂伯奢とか言う人が後で調べて、公(曹操)の仕業だと知ったのでしょうか?」

 「そうだろう。やつは、金銭に飽かして、徹底的に調べたはずだ」

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「「おことの前夫が、儂の代わりに逝ったのなら、責任を取らねばなるまい」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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