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「袁紹様が、黒山賊の討伐に手を焼いておられるとか」

【66】第十四章 袁術3

2012年11月21日(水)

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【65】第十四章 袁術2から読む)

 孫堅は、廃墟となった洛陽へ入った。そして宮殿跡に立って往時を偲んでいると、部下が井戸の中から妙な物を浚い出した。それこそ、「伝国の玉璽(ぎょくじ)」と言われる漢帝室の至宝であった。

 それは、皇帝のみが使える印璽である。別な言い方をすれば、これを所有する者が皇帝に成れるのだ。その話を聞いた袁術は、何とかして手に入れようと頭を捻っていた。

 この印璽に関しては、遷都のどさくさに紛れたとされているが、実際は袁紹と袁術らが宦官を一掃したとき、尚符爾郎中(しょうふじろうちゅう・玉璽の管理係)の宦官が、井戸へ隠したとも言われる。

 もっとも董卓は、伝国の玉璽がなければ、新しい印璽を作ればいいとて、全く気にしてなかった。しかも、彼が冊立した皇帝協はまだ十歳そこそこである。

 そこで従兄の袁紹は、光武帝の血を引く劉虞を、新しい皇帝にしてはと、周囲へ打診を諮っているらしい。袁術はそれを聞いて、腑(はらわた)が煮えくり返った。

 『新たに皇帝を立てるなら、舜直系の末裔たる儂を措いて他はない。伝国の玉璽を手に入れて即位し、巫山の仙女と蜂蜜を嘗めるのだ』

 彼は本気で、そのような誇大妄想を心に秘めながら、劉虞と対立する公孫サン(王/贊)と同盟を結ぶ現実性を併せ持っていた。

 「主上を助けるため、兵をお出し下さい」

 こう言って駆け込んできたのは、劉虞の息子劉和であった。そこで袁術は、彼に父(劉虞)宛に、援軍依頼の手紙を書かせた。

 「到着すれば、撃って出ましょう」

 そう言ったが、袁術は兵を横取りするつもりだった。そして、しばらくして援軍がやって来たが、公孫越も一隊を率いてやってきた。彼は公孫サンの従弟である。

 すると、それを見た劉和は、父親が派遣した兵を連れて、袁紹の陣営へ逃亡した。公孫サンが父(劉虞)と不仲な事を知っていて、罠だと感じたのであろう。

 袁術が、荊州の乗っ取りを考えていると、長安で董卓が呂布に暗殺された。 

 呂布が袁術を頼ってきたのは、二カ月ばかり後だった。手ぶらではなく、一帯を荒らしていた盗賊の一味を捕らえてきた。

 袁術は、早速彼らを市へ並べて処刑する。無論、呂布ではなく、自分の手柄として吹聴したのである。ここに袁術の人格が、如実に出ていた。

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「「袁紹様が、黒山賊の討伐に手を焼いておられるとか」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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