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「蔡経様の義妹殿はお腹が大きくなられたの?」

【68】第十五章 于吉1

2012年11月26日(月)

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【67】第十四章 袁術4から読む)

 袁術が死んだとき、于吉(うきつ)はさほど遠くない場所にいた。彼は、やや遅きに失したと嘆いた。また、後悔してもいたのだ。もっと早く袁術に接しておけば、彼は必ず入信していたはずだったと。

 それは彼が、巫山の仙女に憧れていたと聞いたからだ。馮方(ふうほう)の娘が絶世の美女と聞き、袁術に見染められるよう、馮方に入れ知恵したのは、于吉の信者だった。

 「他の姫妾から、あれほど憎まれるとはな」

 信者たちに言いながら、于吉は精舎(しょうじゃ・信徒が集まる教会)へ入っていった。

 「いつもお元気で、羨ましい限りです」

 信徒たちがそう言うのも、于吉が百歳を越える齢(よわい)だからだ。

 「ここまでには、さまざまなことがあったのでしょうね?」

 平均寿命が五十歳にも満たない時代であれば、超人的に長い人生ということになる。また、情報も少ない中だから、信徒たちは于吉から古い話を聞きたがった。

 すると于吉は瞑目し、遠い記憶を脳裏の底からまさぐるように引き出してくる。そのうえで、彼は話す前に、思い出を反芻していた。

 彼の頭に最初に浮かんだのは、蔡経(さいけい)で、宮嵩(きゅうすう)、それに張陵(ちょうりょう)も顔を思い描けた。彼らには、『太平清領書』を複製させたのだ。

 それは、まだ若かかった三十歳代の于吉自身の手で、甘忠可(かんちゅうか)が前漢の末期に著した『包元太平経』が消え去らぬよう、書き直したものである。

 つまり、口上や修飾をできるだけ省いて、要点を解りやすく校訂したものだった。

 「これは、人々に有益な書物だから、複製してさまざまに配布しようではないか!」

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「「蔡経様の義妹殿はお腹が大きくなられたの?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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