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「そこで、麻姑の手を作りたいのか?」

【70】第十五章 于吉3

2012年11月28日(水)

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【69】第十五章 于吉2から読む)

 竹で作った麻姑の手を、一番気に入ったのは闕宣(けっせん)という弟子だった。

 「これ、いけますなァ。皆が喜びましょう」

 随分とお気に入りだったが、真面目な一面もあって、琅邪(ろうや・山東省南東部)の山中には、竹や薬草が多いと言いだす。

 「そこで、麻姑の手を作りたいのか?」

 「そりゃ、一つや二つは。でも、そこの竹は良質だと評判で、竹簡作りに適してます」

 この時代、既に書写材料としての紙はできていた。だが、まだまだ生産性が低くて、価格も張る。そのため書物と言えば、竹材に記述されるのが一般的であった。

 だが、切り出した竹に、そのまま文字を書けばいいというものではない。竹表面の脂分で墨が弾かれる。だから、青い部分(実際は薄緑だが)を黄土色になるまで炙(あぶ)る。その作業を殺青(さつせい)と呼んだ。

 「そこの竹が、竹簡の材料としては、一番質が良いんだな?」

 「そうです。だから、どうです? そこで竹を切り出して、『太平清領書』を何巻も複製いたしましょうや」

 闕宣は、いかにも張り切っていた。

 せっかくの提案だったので、于吉は弟子たちを引き連れて、琅邪地方の山へと登ってみた。その時代、その山地で彼らが探せば、薬草は至る所にあった。また、竹も闕宣の言ったとおりであった。

 彼らは全員を班に分けて、薬草と竹材を取った。そして薬草作業班は、更に根、茎、葉、皮、花、実と部位に分ける班、それぞれを生のまま、煮る、蒸す、炙る、乾燥させるなどの作業をする班に分けた。

 一方の竹材班は、切り倒す、割く、殺青などの材料処理班と、筆耕及び竹簡制作の作業班に分けられた。

 そして、それらの前に、作業ができる小屋を二棟建設することとなった。

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「「そこで、麻姑の手を作りたいのか?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士