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「顔を真っ赤にした者どもが、集団で呪文を唱えながら歩いていたぞ」

【72】第十五章 于吉5

2012年11月30日(金)

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【71】第十五章 于吉4から読む)

 江南地方の、特に呉(蘇州)近辺の于吉を慕う弟子や信徒らは、白装束を着用するようになっていた。それは、ある呪術と無関係であると示すためだった。

 孫堅(そんけん)が襄陽(じょうよう)近辺のケン(山/見)山で暗殺された後、長男の孫策が家督を嗣いでいた。彼も穏やかとは形容しがたい人物で、周辺で刺史の地位にあった許貢(きょこう)を滅ぼしている。

 もっとも許貢自身も前の盛憲(せいけん)を攻めて刺史になったのだから、乱世の倣いと言えばそれまでだ。だから、自分が討たれても、呪う筋合いではない。

 彼の部下は長江を越え、復讐を誓って曹操に仕官したと噂されていた。

 しかし、もう一つの因縁が、盛憲の忠臣だった高岱(こうたい)にあるという。

 高岱は、主君の仇を奉じてくれた孫策に、好意を持っていた。そして孫堅は、高岱の学識に興味を持っていたのだ。彼が、『左伝』に通じていたからである。

 しかし、ある人物が高岱へ忠告する。

 「孫策様は、気位が高い。もし、そこもとの方が高い学識を示せば、不機嫌になられて詰まらぬ咎(とが)を受けるやもしれぬ」

 その言葉を信じて、高岱は孫策から呼び出しを受けて質問されても、『存じませぬ』で押し通した。

 「おまえ、儂に応えても、どうせ解らぬと侮(あなど)りおるか!」

 高岱の気遣いが、全くの裏目に出た瞬間である。孫策は逆上し、高岱を処刑した。それで、このことがあってから、呉の城外では不気味なことが起きだした。

 「顔を真っ赤にした者どもが、集団で呪文を唱えながら歩いていたぞ」

 「ああ、俺も見た。過日は、夜の林の木に登って鈴生りだったそうだ」

 「震沢(しんたく・太湖)の島には、高岱が孫策様を絞め殺す人形が置かれていたとよ」

 「ああ、気味が悪いな」

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「「顔を真っ赤にした者どもが、集団で呪文を唱えながら歩いていたぞ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官