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「曹操に対して謀をしても、儂としては苦情は言わぬ」

【74】第十六章 袁紹2

2012年12月4日(火)

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【73】第十六章 袁紹1から読む)

 「先般、曹操への陰謀が発覚して、董承(とうしょう)ら主立った官僚が処刑されたが、おぬしも絡んでいたのか?」

 袁紹と曹操は、公孫サン(王/贊)に対抗して同盟関係にあったが、いわば戦略的互恵関係で、決して信頼しあっている人間関係にはなかった。

 その、もともとあった溝が、更に深く広くなっていったのは、皇帝協が長安を抜け出して曹操が受け入れてからだ。

 まだ、直接の衝突はなかったが、黄河を挟んで河北の袁紹、河南の曹操が対決するのは時間の問題と見られた。ただ、世間はこの対決を、袁紹の有利とみなしている。

 それは、単純に兵力の多寡と、曹操が中原にいて周囲を軍閥に囲まれている地政学的な問題も抱えていると見られたからだ

 その最大の脅威が、江南の孫策だった。

 そのような事情を踏まえながら、袁紹は、懐へ飛び込んできた窮鳥の劉備に、本音を質した。だが、相手はしどろもどろになる。

 「いや、その、我が知らぬ間に、誘われたことになっていたようですが」

 「まあ、そうであるからこそ、こうして追われて来たのであろうな」

 「いえ、みどもは……」

 かつて劉備は、公孫サンの部下でもあった。だが、その盧植塾の先輩も、面前にいる袁紹に最近滅ぼされている。

 袁紹の従兄袁術が河北へ移ろうとしたときも、劉備はその進行を阻止しようと動いた。もっとも、衝突する前に袁術は病死してしまった。それでも、結果的に劉備は、今まで袁紹に敵対ばかりしてきたことになる。それをも袁紹は、余裕で受け流している。

 「曹操に対して謀をしても、儂としては苦情は言わぬ。要らぬ戦いを交えず、主上を戴(いただ)けるからな」

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「「曹操に対して謀をしても、儂としては苦情は言わぬ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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