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大富豪の「素敵なお金の使い方」教えます

『鳥学の100年 鳥に魅せられた人々』/『トマス・グラバーの生涯 大英帝国の周縁にて』

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2012年11月21日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

鳥学の100年 鳥に魅せられた人々
担当:平凡社編集1部 大石範子

けっして学会用の本ではありません!

鳥学の100年 鳥に魅せられた人々
井田徹治著、日本鳥学会・山階鳥類研究所協力、平凡社

 ふつう、学会の100年史というような本は、企業の社史のように限定した人々に頒布する私家本に近いものが多いのですが、あえて一般の方に読んでいただけるようなものを出したい、というのが鳥学会の意向でした。

 そこで、通常考えられるように、学会員の専門家による分担執筆ではなく、一人の筆者を立てて全体を執筆してもらおうということになり、生物と環境問題に関して鋭い視点で執筆活動をされている著者にお願いすることにしました。さすがに新聞記者。インタビューにしても資料収集にしても手際のよいものでした。しかも鳥学そのものに関心のない人にとっても、面白く読めるようにうまくまとめていただきました。

日本の貴族学者はすごかった

 ここでの「面白く読める」ことの大きな要素に、鳥学会に集う人々の「変人ぶり」があると思われます。

 他の分野とは異なり、近代科学としての鳥学を率いたのは、ほとんどが当時の貴族階級の人々でした。変人といってもネガティブな意味ではなく、そこまでやるか!という感嘆のため息と称賛の意味が込められているのですが。

 鷹司公爵の家には大きな禽舎が何棟もあって、外国産の鳥を含め多くの鳥が飼われていました。小さな籠ではなく、大きなケージで飛びまわる鳥を観察することで、本当の姿がわかるからです。松平頼孝子爵も2000点を超える鳥の剥製標本を収集し、自宅内に標本館を建てました。そのためについに破産したということです。

 広大な邸内に鴨場があった黒田侯爵家では、さらに4200坪という大きな池のある鴨場を新たに羽田近くに建設し、ガンカモ類を1日に200羽も捕えていたとか。黒田長禮・長久父子の集めた鳥の標本は1万5000点にのぼるといいます。

 長久は著書の中で、「家庭もまあ鳥中心のようなもので、母も鳥の名をよく知っていて着物の図柄とし、私が描いた鳥の絵を一歳上の姉が刺繍するという具合で、鳥が家庭の中での共通の主題でした」と言っています。禽舎の鳥を襲うからといって、犬猫のようなペットは禁止されていたそうです。すごいご家庭です。

山階の鳥の王国

 山階芳麿王も、6000坪もの邸内で鳥を撃って標本にし、子供のころから誕生日プレゼントはいつも鳥の剥製と決まっていたとか。さらに興味深いことに、汽船を貸し切って小笠原諸島に旅した山階夫妻の写真を見ると、テーブルの上にアホウドリなどの標本が所狭しと並んでいて驚かされます。

 このとき、鳥島にいた2000羽ものアホウドリの姿を撮影した16ミリフィルムは、きわめて貴重なものになっています。そして山階邸内に、いまでいえば何億円もの費用をかけて鳥類標本館を作りあげ、大きな禽舎が30棟もあったといいます。

 「ブッシュにすむ鳥のためにはブッシュを生やし、林にすむ鳥のためにはそれと同じ環境を作って観察した」といいますから、やることが徹底しています。あつめた標本は3万点以上。それらと邸内の土地、数千点の書籍、有価証券などを寄付して山階鳥類研究所を作ったのです。

 しかし、第2次大戦がすべてを変えました。

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