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「我が曹操に仕掛けた戦いです。義姉上を巻き込んでしまい…」

【80】第十七章 華佗3

2012年12月12日(水)

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【79】第十七章 華佗2から読む)

 「とんでもない病人を、担ぎ込んできたな」

 呂伯奢の屋敷があった穣県を去り、華佗は荊州の都襄陽へ移っていた。刺史の劉表も彼の評判を聞き、ときおり庁舎へ呼んでくれたが、華佗は城内で診療所を開いたのだ。

 弟子の呉普(ごしん)と樊阿(はんあ)は、それぞれ故郷の広陵(こうりょう・現在の揚州の東)と彭城(ほうじょう・現在の徐州)へ戻った。彼らは、穣県で華佗が呂伯奢に施した治療に舌を巻きながらも、怖くなったと言っていた。

 ただ、その装置が作動したかどうかは、まだ誰も知らなかった。

 その日、華佗の所へ運ばれてきたのは、眩暈(めまい)に苦しみ、頭が上がらず物を直視できぬまま、何年か経った患者であった。

 「よし、素っ裸にして、頭が床に着かぬようにして、逆さに吊せ」

 華佗は、襄陽で弟子入りしてきた若者たちに命じると、次には濡れた布で全身を拭かせた。すると、血管が浮き立ってくる。

 「悪い血が浮き立ってくるであろう?」

 「はい、どす黒い血管が見えます」

 「毒素が溜まって鬱血(うっけつ)しておるのだ。皮膚を切って、それを出す」

 華佗はそう言うと、鋭利な刃物で数カ所切り裂き、悪い血を出すと吊り下げるのを止めて、軟膏を塗って全身を按摩する。そして後は、布団でくるんで安静にさせた。

 「どうだ。汗が出たろう?」

 「はい、爽快でございます」

 それまで、何も言えなかった患者が、元気そうな声を出した。

 「それじゃ、亭歴犬血散(ていれきけんけつさん)を呑むんだ」

 華佗はそう言うと、粉末状の薬を湯に溶かして、患者に渡す。彼がそれを嚥下してしばらくすると、何事もなかったかのように、すっくと立った。

 弟子たちは感心して経緯を眺めていた。

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「「我が曹操に仕掛けた戦いです。義姉上を巻き込んでしまい…」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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