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「それで袁術様は、劉表様をお撃ちになられたんでしょう?」

【83】第十八章 橋姉妹1

2012年12月17日(月)

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【82】第十七章 華佗5から読む)

 『三国志』を彩(いろど)る花々で、一番有名なのは貂蝉(ちょうせん)であろう。だが、彼女はモデルらしき女性はいるものの、苗字さえ判らず、実態の乏しい『演技』におけるほぼ創作のヒロインである。

 史実に残っていて、少なくとも苗字が判る美形は、例えば張済未亡人の鄒(すう)夫人、袁術が愛した馮(ふう)氏、秦宜録(しんぎろく)から関羽、曹操と渡った杜(と)氏、曹丕(そうひ)が袁熙(えんき)から奪った甄(しん)夫人など、前半部分でも枚挙に遑(いとま)がない。

 今回登場するのは、姉妹ともに美女というケースである。こちらも橋(きょう・『演技』では喬)氏という苗字しか伝わっていない。ただ便宜上、姉は大橋で妹を小橋とするのが不文律で、ここでも同様に扱おう。

 物心ついた頃、彼女たちは揚州廬江(ろこう)郡の舒(じょ)県にいた。父親の橋公は、郡太守劉勳(りゅうくん)の部下だったと思しい。太守の上には、刺史の劉ヨウ(瑤の旁/系)がいるのだが、君臨していたのは、軍閥の袁術であった。

 「揚州の治所(ちしょ・州庁舎の所在地)は寿春(じゅしゅん)なのに、刺史の劉ヨウ様は、なぜ曲阿(きょくあ)におわすのでしょうか?」

 小橋はあっけらかんと訊くが、大橋が周囲を見渡して窘(たしな)める。

 「これ、大きな声でそのようなことを。他へ聞こえたら、父上がお困りになりましょう」

 聞きようによっては、何の肩書きもない袁術が、不作法にも寿春へ居座っているのは、なぜだとの批判になるからだ。父橋公が仕える劉勳は、袁術が派遣した人物でもある。

 もっと言えば、袁術が揚州へ来た経緯にまで、じっくり遡(さかのぼ)らねばならないだろう。

 「総ては、董卓殿が後漢の御代を、滅茶苦茶にしたからでしょうか?」

 「まあ、そういうことになりましょう」

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「「それで袁術様は、劉表様をお撃ちになられたんでしょう?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト