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「ついに、袁術様が皇帝を自称し始めたぞ」

【89】第十九章 周瑜2

2012年12月26日(水)

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【88】第十九章 周瑜1から読む)

 「曹操の飾りになった皇帝に、何ほどの値打ちがあるのだ!」

 寿春に居を据えた袁術は、誰彼なしにそのような毒突き方をしているらしい。

 粗野な言い方だが、内容的には確かに一理あろう。傀儡皇帝など、戴いた者から都合にいいように扱われ、操っている者が蜜を吸うだけだからだ。

 だが、ここで袁術の途轍もない野望が、はっきり現れだした。それは、屋敷の中で発せられた言葉であろうが、だんだんと街中へ漏れてきていた。

 「袁術様は、皇帝に即位のおつもりらしい」

 これには、誰も賛意を示せなかった。

 「そんなことが、できるものなのか?」

 「諸侯の賛意を取り付けて、一堂に会した場で、儀式でも行わねばならんだろう」

 群雄が割拠して、戦国時代の様相を呈している最中に、袁術のため誰が駆けつけてくるのか、誰もが疑問に思った。

 これ以降、袁術は気持が昂(たか)ぶっていて、やたらと着飾った近衛兵を増やして、周囲を充実させたがった。給与も上がり、これは一種の大盤振る舞いである。袁術の周囲はこのときとばかり、近衛兵に成りたがる者が急増した。

 周瑜にとっては、これは袁術から離れる絶好の機会に見えた。

 「このようなとき、南の防備が手薄になりがちです。是非ともそれがしに、居巣(きょそう)の守備を仰せつけ下さいませ」

 袁術も周瑜に言われて、そういえばと気づいたようだった。彼は早速、周瑜の希望を叶えてくれた。袁術の側近たちは、周瑜が寿春から離れるのを歓迎していた。

 誰もが彼の才に引けを取ると感じていたので、最大の競争相手はいなくなって助かったと思っているのだ。

 周瑜は寿春を発つとき、従者数100人を連れて、大回りしてまで東城へ足を向けた。それは、魯粛(ろしゅく)に会うためである。彼は堂々と名告って、魯粛に来意を告げる。

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「「ついに、袁術様が皇帝を自称し始めたぞ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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佐々木 眞一 日本科学技術連盟理事長、トヨタ自動車顧問・技監