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「袁紹様に仕官してはどうだ? 興味をお持ちだぞ」

【93】第二十章 荀イク2

2013年1月8日(火)

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【92】第二十章 荀イク1から読む)

 韓馥(かんぷく)が頴陰(えいいん)へ騎兵を寄越して冀州(きしゅう)行きを勧めに来たのは、今で言うヘッドハンティングだったのかもしれない。彼は隠していたが、公孫サン(王/贊)から攻撃され、袁紹を頼って地位を譲った格好だったのだ。

 もっとも、韓馥を牧に任命したのは董卓だったので、反董卓を旗印にして撞着もあった。

 「袁紹様に、仕官してはどうだ? 噂を聞いて、随分興味をお持ちだぞ」

 韓馥は、暢気に荀イクへ勧める。確かに彼の部下だったキク(麦/菊-草冠)義(きくぎ)、沮授(そじゅ)、張ゴウ(合/大里)、審配(しんぱい)、田豊(でんほう)らは、昔から袁紹の子飼いであったごとく仕えている。

 袁紹は、それほど魅力的な人物なのかと、荀イクは探ってみた。だが、三公だった家系をやたらと誇り、他の軍閥より血筋の良さを言い立てるだけで、斬新な政策は語らない。

 「袁術という従弟だか又従弟だか判らぬ縁戚が威張っておるが、南陽へ行ったかと思うと、今度は揚州だ。まったく、居が定まらぬのは、精神に落ち着きがないからだ」

 このような調子で、袁紹は誰も彼も扱き下ろした。だが、彼が唯一持ちあげる人物がいる。それが、幽州刺史の劉虞だったのだ。

 荀イクから見ても、劉虞は慎み深く他人から頼られる人格に見える。だが、この混乱した時代を自己の能力だけで生き抜くには、正直過ぎるようにも思えた。

 「ふん、あの腐れ宦官の子孫が、エン(亠/兌)州を領地にしたつもりか?」

 それは曹操のことで、そのとき荀イクはまだ特に注目していなかった。あるとき、袁紹は親しくしていた張バク(貌/之繞)と仲違いをした。

 「おぬしは格好だけだ。だから、シ水関では決して撃って出なかったのだ。もう少しで、曹操を犬死にさせるところだったぞ」

 このとき張バクは、そう言って袁紹の陣営を出て行った。行き先は、曹操の陣営だという。いや、驚いたことに、先の韓馥までもが張バクに付いていったのだ。それは、袁紹の仕打ちに耐えられなかったからのようだ。

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「「袁紹様に仕官してはどうだ? 興味をお持ちだぞ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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